契約の更新日を、気づいた人が思い出して処理していませんか
契約社員やパート・アルバイトの有期契約は、人ごとに入社日も契約期間も違います。人数が少ないうちはExcelの名簿で足りますが、20人を超えたあたりから更新日の確認が後手に回り始めます。
有期契約の更新には、法律で決まった期限や説明事項があります。更新日を過ぎてから気づくと、本人への説明や書面の準備が間に合わないことになり、トラブルの原因になります。
更新管理でよく起きること
- 更新日の直前に気づき、面談や意向確認の時間が取れない
- 通算で何年目か分からず、無期転換の対象者を把握できていない
- 更新しない判断が遅れ、予告の期限を過ぎてしまう
- 契約書の控えがどこにあるか分からない
- 担当者が休むと、誰も更新日を追っていない
管理すべきなのは更新日だけでなく、そこから逆算した期限
有期契約の管理で見落とされやすいのは、更新日より前に来る期限です。たとえば、3回以上更新しているか1年を超えて続けて働いている人の契約を更新しない場合は、原則として契約満了の30日前までに予告が必要です。
また、同じ会社との有期契約が通算5年を超えると、本人の申込みで無期契約に転換できるルール(無期転換ルール)があります。2024年4月からは、契約の締結・更新のたびに更新上限の有無と内容を、無期転換を申し込めるようになる更新では申込みの機会と転換後の労働条件を明示することも求められています。
更新日そのものではなく、その前にある期限を通知の起点にする
契約更新日を管理するときの5つのポイント
1人1行ではなく、契約1本ごとに記録する
名簿に最新の契約期間だけを上書きしていると、通算で何年働いているかが分からなくなります。契約を結ぶたびに1件ずつ記録を残すと、更新回数と通算期間が自動で出せます。
通知は日数ではなく「次にやること」で出す
「更新日まで30日」という通知だけでは、何をすればよいか伝わりません。意向確認・面談・予告・契約書の交付のように、期限ごとの作業を通知の文面に入れます。
無期転換の対象になる人に印を付ける
次の更新で通算5年を超える人は、申込みの機会と転換後の労働条件を明示する対象になります。一覧で色を変えておくと、更新の準備と一緒に説明の準備も進められます。
更新上限と更新の判断基準を項目に持つ
更新上限を設けているかどうか、更新するかどうかを何で判断するかは、契約書に明示する事項です。契約ごとに記録しておくと、書面の作成と説明の漏れを防げます。
通知の宛先を担当者1人にしない
人事担当者だけに届く通知は、その人が休むと止まります。現場の上長と人事の両方に届け、対応済みになるまで残る形にします。取引先との契約の期限管理は契約書の更新期限を自動通知する方法で解説しています。
派遣スタッフを受け入れている場合
派遣を受け入れている会社では、派遣契約の終了日と、同じ組織で受け入れられる期間の上限も管理対象です。雇用契約と同じ一覧で期限順に並べておくと、見落としが減ります。
Excel名簿・労務管理システム・自社専用アプリの比較
更新日の管理方法を、通知の確実さと自社の運用への合わせやすさで比べます。
| 観点 | Excel名簿 | 労務管理システム | 自社専用アプリ |
|---|---|---|---|
| 始める費用 | ◎ かからない | △ 人数に応じた月額 | △ 初期設計が要る |
| 期限の通知 | × 開かないと分からない | ◎ 標準で備わる | ◎ 作業ごとに出せる |
| 通算期間の把握 | × 手計算 | △ 製品による | ◎ 契約履歴から計算 |
| 自社独自の運用 | ◎ 自由 | △ 決まった形に合わせる | ◎ 合わせて作る |
| 担当者不在時 | × 止まる | ◎ 複数人で見られる | ◎ 複数人で見られる |
給与計算や社会保険の手続きまでまとめたいなら、労務管理システムの導入が近道です。一方で、店舗ごとに更新の判断者が違う、シフトや評価と合わせて判断したいといった独自の流れがある会社では、既製品の画面に運用を合わせるのが負担になります。
その場合は、更新管理の部分だけを自社の流れに合わせて作り、給与計算は今のサービスを使い続けるという分け方もできます。
どの方法でも、契約書の控えを記録と同じ場所に添付しておくと、更新の面談で前回の条件をすぐに確認できます。
更新管理の仕組みを作る4ステップ
集める
契約書をそろえる
決める
何をするか
作る
並べて知らせる
記録する
日付を残す
運用の細部は専門家に確認する
通知の日数や説明の内容は、就業規則や契約の内容によって変わります。仕組みで期限を逃さない形を作ったうえで、判断の中身は社会保険労務士などに確認するという役割分担が安全です。
気づいた人が処理する場合と、仕組みで知らせる場合
- 更新日の直前に慌てて契約書を作る
- 通算年数を毎回手で数え直す
- 予告の期限を過ぎてから判断が決まる
- 担当者が休むと誰も追っていない
- 期限ごとに、やるべき作業が届く
- 無期転換の対象者が一覧で分かる
- 面談や予告をした日付が記録に残る
- 上長と人事の両方で状況を共有できる
契約更新の管理は、名簿を眺めて思い出す運用から抜け出すだけで大きく安定します。まずは今いる有期契約の人について、次の更新日と通算期間を一覧にするところから始めてください。
自社の雇用契約に合わせた更新管理を、試作で確かめられます
今お使いの従業員名簿や契約書の様式から、必要な項目と通知のタイミングを一緒に整理します。
SHISAKUBAが業務に合わせて設計し、最短1週間で試作品をご提案します。