提案箱はあるのに、提案がほとんど出てこない

改善提案の用紙と提案箱は用意してある。けれど出てくるのは月に数件で、出した人に聞くと「出しても何の返事もない」「審査に時間がかかって、忘れたころに不採用と言われた」という声が返ってくる。

この記事では、改善提案制度の提案書に書く項目、審査と表彰の決め方、そして提案が集まり、実施まで追える仕組みの作り方を整理します。報奨金の額や評価の方法は会社ごとに違うため、ここでは一般的な考え方として紹介します。

改善提案制度でよくある困りごと

  • 提案の件数が少ない
  • 審査に時間がかかり、返事が遅い
  • 採用された提案が実施されたかわからない
  • 同じ提案が何度も出てくる

現場の気づきを集めて、会社の仕事のやり方に反映する仕組み

改善提案制度は、現場で働く人が「こうすれば楽になる・速くなる・安全になる」と気づいたことを提案として集め、審査して、実際の仕事のやり方に取り入れる仕組みです。大きな改善より、小さな改善がたくさん出ることのほうが大切だとよく言われます。

提案を受け付けてから、実施して効果を確かめるまで提案その場で短く審査早く返事をする実施担当と期限を決める効果何が変わったか改善提案(1件ずつ)現場の気づきを、仕事のやり方に反映する

改善提案から実施までの流れ

安全に関わる気づきはヒヤリハット報告として出してもらい、仕事のやり方を変える提案は改善提案として扱う、と入口を分けておくと迷いが減ります。

提案書に書く主な項目と、審査の決め方

項目書く内容記入例
今の困りごと何に困っているか部品を取りに行くたびに棚まで10m歩いている
改善の案どう変えたいかよく使う部品だけ作業台の横に置く
期待する効果何が良くなるか(わかれば数字)1日あたり30分ほど歩く時間が減る
必要なもの費用や手間小さな棚1台
実施済みかもうやってみたか1週間試して効果を確認した

審査は、出てから何日以内に返事をするかを決めておくのがいちばん大切です。点数で評価する場合も、効果・費用・すぐできるか、の3つ程度に絞ると審査が早くなります。不採用のときも理由を伝えると、次の提案につながります。

提案が、箱の中と審査者の机で止まる

項目紙Excelアプリ(データ)
提案の出しやすさ用紙を取りに行くパソコンがある人だけ現場のスマホで写真つきで出せる
審査の速さ回覧で時間がかかる担当者がまとめて処理審査者に通知が届き、その場で判定
実施の確認わからない列はあるが更新されない担当と期限を決めて、実施を報告
本人への返事口頭か掲示メールで個別に提案者に結果が自動で届く

提案が集まらないのは、出す手間よりも「出したあとどうなったかが見えない」ことが大きな理由です。

提案が集まり、実施まで追える4ステップ

1
入口を決める
誰が・何から・どう出すかを決める(スマホで1分)
▶
2
返事の期限を決める
提出から何日以内に採否を返すかを決める
▶
3
実施を追う
採用した提案に担当と期限を付け、実施を報告する
▶
4
見えるようにする
採用・実施の件数と効果を全員が見られるようにする
ポイント 1

書く項目は少なく

最初は「困りごと」と「案」の2つだけでも出せるようにします。効果や費用は、審査の人が聞き取って補ってもかまいません。

ポイント 2

やってみた提案も歓迎する

自分の持ち場でもう試した「実施済みの提案」も受け付けると、小さな改善がたくさん集まります。

ポイント 3

表彰は件数と効果の両方で

効果の大きさだけで表彰すると、小さな提案が出にくくなります。件数の多さも評価に入れます。

出した提案の行方が、本人に見える

紙・Excelの場合
  • 提案用紙が箱にたまったまま
  • 審査に時間がかかり、返事がない
  • 採用した提案が実施されたかわからない
アプリで管理した場合
  • 現場のスマホで写真つきの提案が出せる
  • 決めた日数以内に採否が本人に届く
  • 採用した提案の実施状況と効果が一覧で見られる

5Sの点検で出た気づきを改善提案に流すと、5S活動と改善活動を一つの流れで回せます。こうした仕組みをアプリで作るときの費用の考え方は業務改善アプリの費用で紹介しています。

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