トライアルの申し込みはあるのに、有料化されずに終わっていませんか
SaaSの無料トライアルは、申し込みを集める入口としてはよく機能します。ところが、申し込んだ人の多くが数回ログインしただけで使わなくなり、期間が終わって自然に離れていく、という結果になりがちです。
このとき、料金が高いのか、機能が足りないのかと考えがちですが、実際には価値を感じる前にトライアルが終わっていることが多くあります。申し込みから有料化までの道のりを、最初から設計しておく必要があります。
トライアルでよく起きること
- 登録したまま、一度も本格的に使われない
- 初期設定が多く、途中で手が止まっている
- 期間が終わったことに、利用者が気づいていない
- 誰がどこまで使ったのか、運営側が把握していない
- 有料化しなかった理由を、聞く機会がない
原因は、「価値を感じる瞬間」までの距離が長すぎること
利用者が有料化を決めるのは、「これは自分の仕事に役立つ」と感じた瞬間を経験したときです。たとえば予約管理なら最初の予約が入ったとき、請求書作成なら最初の請求書が出来上がったときです。
トライアルの設計でやるべきことは、登録からこの瞬間までの手順を減らし、途中で止まった人に声をかけることです。機能の説明を増やすより、最初の成功体験に早くたどり着いてもらう方が有料化につながります。
登録から最初の成功体験までの距離を縮めることが、有料化の一番の近道
トライアルを有料化につなげる5つのポイント
最初の成功体験を1つに決める
自社のサービスで「これができたら価値を感じてもらえる」という行動を1つ決めます。登録後の画面や案内は、すべてそこに向かうように組み立てます。
期間は「成功体験に届く日数」で決める
期間は他社に合わせるのではなく、普通の利用者が最初の成功体験にたどり着くまでの日数から決めます。月に1回しか使わない業務なら、短い期間では一度も使われずに終わります。
初期設定はあとからでよいものを削る
登録直後に入力する項目が多いほど、途中で止まる人が増えます。最初に必要なもの以外は後回しにし、見本のデータを入れておくと、すぐに使い心地を試せます。
利用状況を見て声をかける
誰が登録し、どこまで進んだかを管理画面で見られるようにしておきます。設定が止まっている人、ログインが途絶えた人に案内を送るだけで、戻ってくる人が出てきます。管理画面の基本はBtoB SaaSの管理画面に必要な基本機能で解説しています。
終了前に、使った内容と料金を伝える
期間が終わる数日前に、これまでに登録したデータや作った書類の数と、続けた場合の料金を案内します。有料化しなかった人には理由を一言聞き、次の改善につなげます。料金の組み立て方はSaaSの料金プランを設計するときの考え方をご覧ください。
データが消えるかどうかは、先に伝えておく
トライアル終了後に入力したデータがどうなるかは、利用者が有料化を判断するうえで大事な情報です。一定期間は保持する、有料化すればそのまま使えるといった扱いを決め、登録時と終了前の案内の両方に書いておきます。
期間限定・機能制限つき無料・デモ申し込み型の比較
「無料で試してもらう」形にもいくつか種類があります。サービスの性質に合わせて選びます。
| 観点 | 期間限定の無料 | 機能を絞った無料プラン | 担当者が案内するデモ |
|---|---|---|---|
| 始めやすさ | ◎ すぐ使える | ◎ 期限なく使える | △ 日程調整が要る |
| 有料化の後押し | ◎ 期限が区切りになる | △ 無料のまま使い続ける | ◎ 直接提案できる |
| 運営の手間 | ◎ 仕組みで回る | ◎ 仕組みで回る | × 1件ごとに対応 |
| 向いているサービス | △ 設定が軽いもの | △ 利用者が多いもの | ◎ 業務に深く入るもの |
設定が少なくすぐに価値を感じられるサービスなら、期間限定の無料で十分です。一方、業務の流れに深く入り、初期設定に手間がかかるサービスでは、利用者が一人で試しても成功体験までたどり着けないことがあります。
その場合は、担当者がデモや初期設定を手伝う形を組み合わせる方が有料化しやすくなります。どの形がよいかは、実際に試作品を触ってもらって、どこで手が止まるかを見ると判断できます。試作での検証の進め方はSaaSのアイデアをMVPで検証する進め方で解説しています。
トライアルの流れを設計する4ステップ
1つ決める
行動を特定
手順を減らす
設定を削る
用意する
次の一歩を案内
案内する
料金を伝える
数字は3つだけ追えばよい
最初から細かい分析は必要ありません。登録した人数、最初の成功体験までたどり着いた人数、有料化した人数の3つを追うと、どこで離れているかがわかります。多く離れている段階から直していきます。
期間を決めただけの場合と、流れを設計した場合
- 登録したまま使われずに終わる
- 初期設定の途中で離れていく
- 終了に気づかれず自然に解約
- なぜ有料化しないのかわからない
- 登録後すぐに成功体験へ案内できる
- 止まった人に声をかけられる
- 終了前に価値と料金を伝えられる
- 離れた段階が数字でわかる
無料トライアルは、期間を決めて公開しただけでは有料化につながりません。最初の成功体験を1つ決め、そこまでの距離を縮めることが出発点です。試作の段階でこの流れまで組み込んでおくと、公開後の改善もしやすくなります。
トライアルの導線まで含めたSaaSの試作を、一緒に作れます
登録から最初の成功体験までの画面、利用状況の管理画面、終了前の案内まで、サービスに合わせて設計します。
SHISAKUBAが最短1週間で試作品をご提案します。