いざという時に、誰が無事かをすぐに数えられますか

地震や台風、大雨のとき、会社はまず社員とその家族が無事か、出社できるかを確かめる必要があります。ところが実際には、電話の連絡網を上から順に回すうちに回線が混み合ってつながらない、グループLINEに返信が次々に流れて誰が答えたか分からない、といったことが起こりがちです。

最終的に、総務や管理職がトーク画面を何度もさかのぼって、紙の名簿に丸をつけて数えることになります。まだ答えていない人に連絡したくても、その一覧を作るだけで時間がかかってしまいます。

安否確認でよく起きること

  • 電話の連絡網が途中で止まり、最後の人まで届かない
  • グループLINEの返信が流れて、誰が答えたか数えられない
  • 「無事です」だけで、出社できるかどうかが分からない
  • まだ答えていない人を探すのに時間がかかる
  • 名簿が古く、辞めた人や新しく入った人が反映されていない

原因は、連絡と回答の集計が人の手に頼っていること

安否確認は、「送る」「答えてもらう」「数える」「答えていない人を追う」の4つでできています。電話の連絡網やグループLINEは「送る」ことはできても、答えを1人ずつの行に整理して数える仕組みを持っていません。

仕組み化のねらいは、回答が名簿の1人ずつの行に自動で入り、答えていない人がすぐに一覧で出るようにすることです。そうすれば、担当者は数える作業ではなく、困っている人への対応に時間を使えます。

安否確認の4つの段階 送る 複数の手段で一斉に 答える 選ぶだけの短い質問 数える 拠点・部署ごとに自動 追う 未回答の人に再送 ▶ ▶ ▶ 手作業になりやすいのは「数える」と「追う」

送るだけでなく、数えて追うところまでを仕組みにする

安否確認を仕組み化するときに決めておく5つのこと

POINT 1

連絡の手段を1つに頼らない

災害のときは、電話がつながりにくくなる一方で、メールやアプリの通知は届くことがあります。メール・SMS・LINEなど、複数の手段で同じ確認を送るようにしておくと、どれか1つが使えなくても回答を集められます。家族との連絡には、災害用伝言ダイヤル(171)の使い方も社内で共有しておくと安心です。

POINT 2

質問は少なく、選ぶだけにする

非常時に長い文章は書けません。「本人の状態」「家族の状態」「出社できるか」を選択肢で選び、必要な人だけ一言書く程度にとどめます。質問を絞るほど、回答が早く集まります。フォームで回答を集めて業務に使う考え方はGoogleフォームで集めた回答を業務で使える形にする方法でも解説しています。

POINT 3

回答は名簿の1人ずつの行に入れる

回答を名簿とひもづけて、拠点や部署ごとに「無事」「けが」「未回答」の人数がすぐ分かるようにします。トーク画面をさかのぼって数える必要がなくなり、管理職は自分の部署の状況だけを見ることもできます。

POINT 4

答えていない人の一覧と再送を用意する

安否確認で一番手間がかかるのは、答えていない人を追いかけることです。未回答の人だけを一覧で出し、ボタン1つでもう一度送れるようにしておくと、担当者の負担が大きく変わります。一定時間たっても答えがない人は、上長が電話するなど次の手順も決めておきます。

POINT 5

名簿を最新にして、訓練で試しておく

どれだけ仕組みを整えても、名簿の連絡先が古ければ届きません。入社や退職、異動のたびに名簿を直す流れを決め、年に1〜2回は訓練として実際に送って、回答の集まり方を確かめておきます。名簿のデータが失われないよう、バックアップと復旧をどこまで事前に決めておくかもあわせて考えておくと安心です。

「いつ送るか」も先に決めておく

「震度5弱以上の地震があったら」「警報が出て出社の判断が必要なとき」など、確認を送る条件と、送る担当者(不在のときの代わりも)を決めておくと、いざという時に迷わず動けます。

電話連絡網・市販の安否確認サービス・自社に合わせた仕組みの比較

安否確認の方法を、届きやすさと集計のしやすさ、自社への合わせやすさで比べます。

観点 電話連絡網・グループLINE 市販の安否確認サービス 自社に合わせた仕組み
届きやすさ △ 電話は混み合う ◎ 複数の手段で送る ◎ 複数の手段で送る
回答の集計 × 手で数える ◎ 自動で集計 ◎ 自動で集計
社内の他の情報とのつながり × なし △ 名簿の取り込みが中心 ◎ 勤務表や拠点と連動
始めやすさ ◎ すぐできる ◎ 登録してすぐ △ 最初に設計が必要

安否を確認して数えることが目的なら、市販の安否確認サービスで十分なことが多いです。月額の費用はかかりますが、一斉送信や集計、再送の仕組みがすでにそろっています。

一方で、シフト勤務で「今日どの現場に誰がいるか」と合わせて確かめたい、出社できる人数から当日の配置を組み直したいといった場合は、勤務表や拠点の情報とつながった仕組みのほうが役に立ちます。自社の確認したい内容が、既製品の項目で足りるかどうかで選ぶのがよいでしょう。

安否確認を仕組み化する4ステップ

1
名簿と
連絡先を整える
拠点・部署と
複数の連絡先
▶
2
送る条件と
質問を決める
担当者と
代わりの人も
▶
3
集計と
再送を用意する
未回答の人を
一覧にする
▶
4
訓練で
試す
年1〜2回
実際に送る

訓練では回答までの時間を記録する

訓練のときは、全員の回答がそろうまでに何分かかったか、最後まで答えなかったのは誰かを記録しておきます。連絡先が古い人や、通知に気づきにくい人が分かり、本番の前に直すことができます。

最初は1つの拠点や部署で訓練を兼ねて試し、質問の分かりやすさや回答の集まり方を確かめてから全社に広げると、混乱なく定着します。

連絡網に頼る場合と、仕組み化した場合

連絡網に頼る場合
  • 電話が途中で止まり、最後まで届かない
  • トーク画面をさかのぼって手で数える
  • 答えていない人を探すのに時間がかかる
  • 出社できる人数がすぐに分からない
仕組み化した場合
  • 複数の手段で全員に一斉に届く
  • 拠点・部署ごとの人数がすぐ分かる
  • 未回答の人だけにすぐ再送できる
  • 出社できる人から当日の体制を組める

安否確認の仕組みは、使わずに済むのが一番ですが、いざという時に確実に動くかどうかは、ふだんの準備で決まります。まずは名簿の連絡先が最新かを確かめ、1つの部署で訓練として送ってみるところから始めてください。

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