アルコールチェックの記録表、埋まっていない日はありませんか

社用車を一定台数以上使う事業所では、安全運転管理者を選び、運転する人の運転前と運転後に酒気帯びの有無を確認して記録することが道路交通法の施行規則で求められています。2023年12月からは、目で見て確かめるだけでなく、アルコール検知器を使った確認も必要になりました。

多くの事業所では、紙の記録表やExcelで運用を始めました。しかし、運転する人が多い、朝が早い、直行直帰が多いといった職場では、書き忘れ・確認者の空欄・後からまとめて記入が起きやすく、いざ確認しようとすると記録が揃っていないことがあります。

記録まわりでよく起きること

  • 運転後の確認が抜けている日がある
  • 直行直帰の日に、誰がどう確認したか記録が残っていない
  • 確認者の名前が空欄、または後からまとめて書かれている
  • 拠点ごとに記録表の書式が違い、集めるのに手間がかかる
  • 1年分の記録を探すのに、紙の束をめくる必要がある

※対象となる事業所の条件や確認方法の細かな要件は、警察庁や所轄の警察署が公表している最新の情報を必ず確認してください。この記事は記録の管理方法を中心に解説しています。

原因は、確認と記録が別々の作業になっていること

紙の記録表では、検知器で測る作業と、結果を表に書く作業が分かれています。測ったあとに書くのを忘れたり、忙しい朝にあとでまとめて書こうとしたりすると、そのまま空欄が残ります。確認する側の安全運転管理者も、全員分の表を毎日見て回るのは大変です。

記録の抜けを防ぐには、確認したその場で記録が残り、記録がない人が自動で分かる仕組みにすることが近道です。運転者本人がスマホで結果を入力し、確認者がそれを承認する形にすれば、後からまとめて書く余地がなくなります。

確認したその場で記録を残す 運転前の確認 検知器の結果を入力 ▶ 確認者の承認 対面またはビデオ通話 ▶ 運転後の確認 同じ流れで記録 未記録の一覧 「今日運転予定なのに記録がない人」を安全運転管理者が朝と夕方に確認

記録がないこと自体が分かるので、抜けに気づける

記録として残す主な項目は、確認者の名前、運転者の名前、車両の番号、確認した日時、確認の方法(検知器を使ったか、対面でない場合はどの方法か)、酒気帯びの有無、指示した内容です。これらを入力項目として最初から用意しておけば、項目の書き漏れも防げます。

アルコールチェックの記録を管理するときの5つのポイント

POINT 1

運転前と運転後を1組で記録する

運転前だけ記録して運転後が抜けるのが、よくある漏れです。運転前の記録を開いたら、その日の運転後の記録が埋まるまで「未完了」として残すようにすると、抜けに気づけます。

POINT 2

直行直帰の確認方法を決めておく

事業所に寄らない日は、対面の代わりにビデオ通話や電話で確認者とつなぎ、携帯型の検知器で測る方法が一般的です。どの方法で確認したかを選択肢で記録できるようにしておきます。

POINT 3

検知器の数値や写真を残す

「酒気帯びなし」とだけ書くより、検知器に表示された数値や画面の写真を残すほうが、確認の事実がはっきりします。スマホで撮って添付する形にすれば手間も増えません。

POINT 4

検知器の点検も記録する

検知器は壊れていたり電池が切れていたりすると使えません。正常に動くかの確認日と、交換・校正の時期も記録しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

POINT 5

1年分をすぐに取り出せるようにする

記録は1年間保存することが求められています。運転者・車両・日付で検索でき、必要な期間だけ一覧で出力できる形にしておけば、確認を求められたときにすぐ対応できます。

酒気帯びが分かったときの対応も記録に入れる

検知器で反応があった場合に、運転をさせなかったこと、代わりの運転者や交通手段をどうしたかを記録できる欄を用意しておきます。記録があることで、会社として適切に対応したことを後から示せます。

紙の記録表・Excel・アプリの比較

アルコールチェックの記録方法を、抜けの防ぎやすさと管理の手間で比べます。

観点 紙の記録表 Excelの記録表 記録アプリ
記録の抜け × 見て回るまで分からない △ 開けば分かる ◎ 未記録を自動で表示
直行直帰への対応 × 後から記入になる △ 共有設定が必要 ◎ スマホからその場で入力
1年分の検索 × 紙の束をめくる △ ファイルが分かれる ◎ 人・車両・日付で検索
導入の手間 ◎ なし ◎ すぐ始められる △ 最初に項目の設計が必要

運転する人が数人で、全員が毎日事業所に出入りするなら、紙やExcelの記録表でも十分に回ります。大事なのは、安全運転管理者が毎日決まった時間に空欄を確認するという習慣を作ることです。

一方で、運転者が多い、拠点が複数ある、直行直帰や出張が多いといった場合は、紙やExcelでは確認の手間が大きくなります。市販のアルコールチェックサービスも多くありますが、既存の日報や車両管理とつなげたい、自社の拠点や車両の区分に合わせたいという場合は、記録アプリを自社向けに作ると運用に無理がありません。配送や運行の状況と合わせて管理する考え方は物流会社の配送状況をリアルタイム共有するアプリでも紹介しています。

記録の仕組みを作る4ステップ

1
運転者と
車両を洗い出す
誰が・どの車を
使うか
▶
2
確認者と
方法を決める
対面・ビデオ通話
の使い分け
▶
3
記録項目を
入力画面にする
選択肢と写真で
書き漏れを防ぐ
▶
4
未記録の確認を
毎日の習慣にする
朝と夕方に
一覧を見る

確認者が不在の日の代わりを決めておく

安全運転管理者が休みの日や、早朝・深夜の運転がある日は、副安全運転管理者や、あらかじめ決めた補助者が確認を行います。誰が確認できるかを登録しておけば、記録にも正しく名前が残ります。

運転者の一覧を作るときは、正社員だけでなくパートや契約社員、協力会社の人が社用車を使うことがないかも確認します。雇用形態ごとの契約期間とあわせて人の一覧を管理する方法は契約社員・パートの契約更新日を管理して通知する方法を参考にしてください。

紙の記録表の場合と、アプリで管理した場合

紙の記録表の場合
  • 空欄に気づくのが月末になる
  • 直行直帰の記録が後から書かれる
  • 確認者の名前が抜けやすい
  • 1年分を探すのに時間がかかる
アプリで管理した場合
  • 未記録の人がその日のうちに分かる
  • その場で数値と写真を記録できる
  • 確認者の承認が必ず残る
  • 人・車両・日付ですぐ検索できる

アルコールチェックは、記録を残すこと自体が目的ではなく、酒気を帯びた状態で運転させないための仕組みです。記録の抜けが起きにくい形にしておけば、確認する側も運転する側も迷わず続けられます。まずは今の記録表で、どこに空欄が出やすいかを確かめるところから始めてください。

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