業務アプリの費用を、補助金でまかなえないか考えていませんか
業務アプリを作りたいけれど費用が気になる。そんなときに名前が挙がるのが、国の「IT導入補助金」です。ところが調べてみると、2026年の公募から名前が「デジタル化・AI導入補助金」に変わっていて、どこまでが同じ制度なのか分かりにくくなっています。
この記事では、事務局の公式サイトに書かれている内容をもとに、業務アプリの導入に使いやすいケースと使いにくいケース、申請の前に確認しておきたい点を整理します。
この記事の情報について
補助額・補助率・要件は、2026年10月時点でデジタル化・AI導入補助金の公式サイトに掲載されている内容をもとにしています。要件は公募回ごとに変わることがあります。申請の際は、必ず最新の公募要領を確認してください。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者等がITツールを導入する費用の一部を補助する国の制度です。公式サイトでは目的を「中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金」と説明しています。
2026年の公募(令和7年度補正予算の事業)から、IT導入補助金は今の名前に変わりました。申請枠は通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠に分かれています。業務アプリの導入でまず関係するのは通常枠です。
使えるのは「事前に登録されたITツール」だけ
業務アプリに補助金を使えるかどうかを考えるとき、最初に押さえておきたいのが次の2つです(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)。
登録された「IT導入支援事業者」と組んで申請する
公式サイトでは、事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要とされています。自社だけで申請するのではなく、ITツールを提供する事業者と一緒に進める仕組みです。
補助の対象は、事前に登録されたITツール
対象になるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金のサイトに公開(登録)されているものです。公式サイトの「ITツール検索」で、どのツールが登録されているかを調べられます。
「好きな会社に、好きなものを作ってもらう」費用がそのまま対象になる制度ではない
このため、依頼したい開発会社が登録事業者でない場合や、作ってもらうアプリがITツールとして登録されていない場合は、この補助金の対象になりません。一から作るオーダーメイドの開発を考えているなら、まず依頼先に「登録事業者か」「登録済みのツールとして申請できるか」を確かめてください。
通常枠の補助額・補助率と、対象になる経費
公式サイトに掲載されている通常枠の内容をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 通常枠の内容(公式サイトより) |
|---|---|
| 補助額 | 業務プロセス1つ以上:5万円以上150万円未満 業務プロセス4つ以上:150万円以上450万円以下 |
| 補助率 | 1/2以内。最低賃金に関する条件を満たす場合は2/3以内 |
| ソフトウェア(必須) | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分) |
| オプション | 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ |
| 役務(導入関連費) | 導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート |
| ソフトウェアの条件 | 決められた業務プロセスを1種類以上持つこと(汎用プロセスのみは不可) |
補助率が1/2なら、対象経費の半分は自社の負担です。また補助金は、原則として先に自社で支払い、あとから受け取る形になるため、一時的には全額を用意しておく必要がある点にも注意してください。
第7次公募回からの変更
公式サイトでは2026年10月9日に、第7次公募回以降の制度変更が案内されています。通常枠では補助率の引き上げ(2/3)に関する最低賃金の要件の変更、通常枠などで1人当たり給与支給総額の向上に関する申請要件の追加などが挙げられています。申請する公募回の公募要領で、最新の要件を確認してください。
業務アプリの導入で、補助金を使いやすいケースと使いにくいケース
- 使いたいサービスが、登録ITツールとして公開されている
- 導入を手伝う会社が、IT導入支援事業者として登録されている
- 申請の準備と、公募の日程に合わせて待つ時間がある
- 自社負担分と、一時的な立て替えの資金を用意できる
- 一から作るオーダーメイドで、登録ツールの形にならない
- 頼みたい開発会社が登録事業者ではない
- すぐに使い始めたく、公募の日程を待てない
- 導入する内容が、決められた業務プロセスに当てはまらない
補助金が使えない場合でも、費用を抑える方法はあります。作る範囲を絞る、既製のサービスと組み合わせる、月額制の開発サービスを使うなどの方法は、業務アプリを安く作る方法と月額制のアプリ開発とはで解説しています。
申請の前に準備しておきたいこと
公式サイトの「申請を行う前に必要な手続き」では、交付申請の要件として次の2つが挙げられています。
を取得する
おおむね2週間
を宣言する
二つ星を宣言
事業者を選ぶ
ITツール検索
確認して申請
公募回ごとに確認
契約や支払いのタイミングにも決まりがある
補助金は、いつ契約し、いつ支払ったかによって対象になるかどうかが変わります。導入を急ぐあまり先に契約してしまうと対象外になることもあるので、申請前に公募要領で順番を確認し、IT導入支援事業者とも相談してください。
補助金ありきではなく、「何を入れるか」から考える
デジタル化・AI導入補助金は、登録されたITツールを導入するときに、費用の一部を補助してくれる制度です。使いたいツールと依頼先が登録されているかが、業務アプリで使えるかどうかの分かれ目になります。
補助金に合わせて導入するものを選ぶと、自社の業務に合わないものを入れてしまうこともあります。まず自社に必要な機能を決め、そのうえで補助金が使えるかを確かめる順番がおすすめです。導入の効果を数字で考える方法は業務改善アプリの費用とROIの考え方で解説しています。
補助金を待たずに、小さく始める方法もあります
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