初期費用が高くて、業務アプリの開発に踏み切れない

業務アプリを開発会社に頼むと、一般的には最初に開発費をまとめて支払う形になります。数百万円の見積もりを前に、「効果が出るか分からないのに、この金額は出せない」と止まってしまう会社は少なくありません。

そこで最近増えているのが、初期費用を抑えて、月額の料金で業務アプリを作って使う「月額制(サブスク型)のアプリ開発」です。この記事では、一括で発注する場合との違いと、どちらが得かを判断するための比べ方を整理します。

月額制が気になる会社によくある状況

  • まとまった開発予算は取れないが、毎月の経費なら出せる
  • 作って終わりではなく、使いながら直していきたい
  • 社内にシステムの担当者がいない
  • 効果が出るか、小さく試してから決めたい

月額制のアプリ開発と、一括発注の違い

一括発注は「作ってもらう」ことにお金を払う形、月額制は「作って使い続けられる状態」にお金を払う形と考えると分かりやすくなります。月額制では、開発費を最初に払う代わりに、運用や改修を含めたサービス料を毎月支払うのが一般的です。

観点 一括発注 月額制(サブスク型)
最初に払う金額 開発費をまとめて支払う 初期費用が小さい、または無い
公開後の費用 保守費・サーバー代が別に発生することが多い 月額に運用・保守が含まれることが多い(範囲は会社による)
使いながらの改修 その都度見積もり・追加費用 月額の範囲内で対応するサービスもある
長く使ったときの総額 年数がたつほど1年あたりは安くなる 使う年数に比例して増える
作ったものの権利 契約で発注側に移すことが多い 提供側に残り、利用を許可する形が多い
やめるとき 手元に残ったものを使い続けられる データの扱い・継続利用の可否は契約次第

どちらにも良い点と気をつける点があります。「月額だから安い」「一括だから安心」とは限らないので、次の比べ方で数字にしてみるのがおすすめです。

3年間の総額で比べる

月額制と一括発注は、払うタイミングが違うので、同じ期間の合計で比べるのが基本です。業務アプリは数年使うことが多いので、まずは3年で計算してみてください。

3年総額の計算式 一括発注 開発費 + 保守費・サーバー代 × 36か月 + 3年間の改修・追加費用 月額制 初期費用 + 月額 × 36か月 + 月額に含まれない実費・追加費用 「含まれないもの」を両方に足してから比べる

一括発注は公開後の費用、月額制は月額に含まれない実費を忘れずに足す

たとえば、仮に開発費300万円・保守費が月3万円の一括発注なら、3年の合計は300万円+108万円で408万円(改修費は別)です。これに対して初期費用0円・月額5万円の月額制なら、3年で180万円(実費は別)になります。どちらも説明のための仮の数字で、実際の金額は会社と内容によって大きく変わります。

ただし月額制は、使う年数が長くなるほど合計が増えます。この例なら、一括発注の408万円に月額5万円の合計が追いつくのは約82か月(7年弱)です。長く使うほど一括発注の方が有利になる、という見方も持っておきましょう。業務アプリの費用相場は業務アプリ開発の費用相場で解説しています。

「月額にすべて含まれる」とは限らない

月額制でも、データの保存容量、外部サービスの利用料、大きな機能追加などは別料金になることがあります。月額に何が含まれ、何が実費になるのかを、契約前に一覧で出してもらってください。

月額制が向いている会社、一括発注が向いている会社

月額制が向いている会社
  • 最初にまとまった予算を出しにくい
  • 小さく始めて、効果を見ながら広げたい
  • 社内にシステム担当者がいない
  • 使いながら細かく直していきたい
一括発注が向いている会社
  • 開発予算をまとめて確保できる
  • 仕様がはっきり決まっていて、変更が少ない
  • 社内で保守や改修を担える
  • 作ったものの権利を自社で持ちたい

既製のサービス(SaaS)を使う、という選択肢もあります。自社のやり方に合うなら、作るより安く早いことも多いです。違いはSaaSとオーダーメイドの違い、各サービスの料金はサービス別の料金比較にまとめています。

月額制のアプリ開発で、契約前に確認したい5つのこと

確認 1

月額に含まれるものと、含まれないもの

サーバー管理・バックアップ・不具合対応・改修のうち、どこまでが月額か。保存容量や外部サービスの利用料など、使った量で変わる費用があるかを確かめます。

確認 2

最低利用期間と、途中でやめるときの扱い

月額制のサービスには、最低利用期間を設けているものがあります。期間の長さと、途中解約のときに費用がかかるかを確かめます。

確認 3

改修はどこまで月額の範囲か

「項目を1つ足したい」「帳票の形を変えたい」といった小さな改修と、新しい機能の追加とで、扱いがどう分かれるかを聞いておきます。

確認 4

作ったものの権利と、解約後のデータ

月額制では、アプリの権利は提供する会社に残ることが一般的です。解約したときにデータを受け取れるか、どの形式かを確かめておくと安心です。

確認 5

契約前に、動くもので確かめられるか

月額制でも、合わないアプリを使い続けるのは無駄になります。契約前に試作品や画面を触って確かめられるかを聞いてみてください。

月額制は「最初の一歩を軽くする」ための選択肢

月額制(サブスク型)のアプリ開発は、大きな初期費用を払わずに、自社専用の業務アプリを使い始められるのが最大の利点です。一方で、長く使うほど合計は増え、権利や解約時の扱いは契約によって変わります。

3年の総額を同じ条件で計算し、月額に含まれないものを確かめてから選んでください。費用を抑えるほかの工夫は業務アプリを安く作る方法、SHISAKUBAがなぜ制作費0円で始められるのかは無料で試作できる理由で解説しています。

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