業務アプリは欲しいけれど、開発費が高くて踏み切れない

Excelや紙の管理に限界を感じて開発会社に相談したら、思っていたより一桁高い見積もりが返ってきた。中小企業の業務アプリでは、よくある話です。

費用を下げる方法はいくつもありますが、下げ方を間違えると、安く作ったのに使われない、作り直しになるということも起きます。この記事では、費用を抑える7つの工夫と、安くするために削ると後で困るところを分けて整理します。

費用が高くなりやすい相談の特徴

  • 最初から全部の業務をまとめてシステム化しようとしている
  • 「今のExcelと同じことができるように」と、全項目をそのまま移そうとしている
  • 何が必要で何が不要か、社内でまだ決まっていない
  • 既製のサービスで足りる部分まで、一から作ろうとしている

開発費は「作る量」と「決まっていないこと」で増える

業務アプリの開発費は、ほとんどが人が作業する時間です。画面や機能が多いほど作業は増え、要件が決まっていないほど、確認や作り直しの時間が積み上がります。

つまり費用を下げるには、作る量を減らすか、迷う時間を減らすか、作る部分を既製品に置き換えるかのどれかになります。相場そのものは業務アプリ開発の相場や業務アプリ開発の費用相場でまとめています。

開発費を下げる3つの方向 作る量を減らす 機能と画面を絞る 段階に分けて作る 迷う時間を減らす 要件を先に決める 試作で早く確かめる 既製品に置き換える SaaSやノーコード で足りる所は作らない 値切るより、作業そのものを減らす方が確実に下がる

単価を下げるより、作業の量を減らす

業務アプリを安く作るための7つの工夫

工夫 1

最初は1つの業務だけに絞る

受注・在庫・請求・勤怠を一度に作ると、費用も期間も大きくなります。いちばん困っている業務を1つ選び、そこだけを先に作ると、費用を抑えながら効果も確かめられます。残りは使い始めてから足せば十分です。

工夫 2

Excelの項目をそのまま全部移さない

長く使ってきたExcelには、今は誰も見ていない列がたくさんあります。実際に毎日使っている項目だけを残すと、画面も入力も減り、作る量が小さくなります。

工夫 3

必要な機能を、依頼の前に書き出しておく

「誰が・いつ・何を入力して・誰が見るか」を先に書き出しておくと、開発会社とのやり取りが短くなります。書き方は業務アプリの要件チェックリストや依頼書(RFP)の書き方を参考にしてください。

工夫 4

既製のサービスで足りる部分は作らない

会計や給与計算のように多くの会社で同じやり方をする業務は、既製のサービスの方が安く確実なことが多いです。自社独自のやり方がある部分だけを作る、という分け方が費用を下げます。各サービスの料金はサービス別の料金比較にまとめています。

工夫 5

見た目の作り込みは後回しにする

社内で使う業務アプリは、見た目の凝り具合より入力しやすさと見やすさが大事です。デザインの作り込みや細かな演出は、使い始めて必要だと分かってからで遅くありません。

工夫 6

試作品で早めに「違う」を見つける

費用がいちばん無駄になるのは、完成してから「思っていたのと違う」と分かる作り直しです。契約前や開発の早い段階で、動く画面を触って確かめると、この手戻りを小さくできます。

工夫 7

支払い方を選ぶ(一括・月額・補助金)

同じ総額でも、最初にまとめて払うか、月々に分けるかで踏み切りやすさは変わります。月額制の開発サービスや国の補助金も選択肢です。詳しくは月額制のアプリ開発とはとデジタル化・AI導入補助金で業務アプリは作れるかで解説しています。

安くするために削ると、後で困る4つのこと

費用を下げようとして削りがちですが、削ると後から大きな費用やトラブルになりやすいものがあります。

削りがちなもの 削ると起きること 最低限残したいこと
データのバックアップ 消えたデータを戻せない 自動で取られているか、戻し方が決まっているか
ログインと権限 見せてはいけない情報が全員に見える 誰が何を見られるかの区別
公開後の不具合対応 小さな修正のたびに追加費用がかかる 誰が・いつまで・いくらで直すか
データの取り出し方 やめたいときにデータを持ち出せない CSVなどで出せるか、解約時の扱い

開発費の安さだけで比べると、こうした部分が見積もりに入っていないことがあります。見積もりの読み方は見積書で確認すべき10項目、安い会社に頼むときの注意点は格安のアプリ開発会社に頼む前にでまとめています。

費用を抑えて業務アプリを作る4ステップ

1
困っている業務を
1つ選ぶ
時間がかかる・
ミスが多い所から
▶
2
使う項目と
人を書き出す
誰が入力し
誰が見るか
▶
3
既製品か
作るかを分ける
独自のやり方が
ある所だけ作る
▶
4
試作で確かめて
小さく始める
使いながら
機能を足す

全部まとめて作る場合と、絞って小さく始める場合

全部まとめて作る場合
  • 最初の見積もりが大きく、踏み切れない
  • 完成まで時間がかかり、効果が見えない
  • 使わない機能にも費用を払う
  • 完成後に「違う」と分かり作り直す
絞って小さく始める場合
  • 最初の費用を小さくできる
  • 早く使い始めて効果を確かめられる
  • 本当に必要な機能だけに払う
  • 使いながら直すので手戻りが小さい

業務アプリを安く作るいちばんの近道は、値引き交渉ではなく、作るものを減らして早く確かめることです。削ってはいけない4つだけは残し、それ以外は「本当に今いるか」で見直してみてください。

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