「あの注文、あと何個残ってる?」にすぐ答えられますか

お客様から「先月の注文、残りはいつ届きますか」と聞かれて、注文書と出荷の記録を見比べないと答えられない。分納や納期違いの注文が増えるほど、まだ納めていない分(受注残)の把握は難しくなります。

この記事では、受注残の意味と発注残との違い、Excelで管理するとずれやすい理由、出荷のたびに自動で減る仕組みの作り方を整理します。仕入先に頼んだ分(発注残)の管理は、発注漏れ・二重発注を防ぐ発注管理の仕組みで解説しています。

受注残が見えていないときに起きること

  • 出荷し忘れや、納期遅れに気づくのが遅れる
  • お客様からの問い合わせに、その場で答えられない
  • 同じ注文を二重に出荷してしまう
  • これから必要な在庫や生産の量が読めない

受注残とは、注文を受けたのにまだ納品していない分

受注残(じゅちゅうざん)とは、お客様から注文を受けたうち、まだ納品(出荷)が済んでいない分のことです。現場では略して「注残(ちゅうざん)」と呼ばれることも多く、「受注残高」「受注バックログ」と言う場合もあります。

考え方は単純で、受注残 = 受注した数 − 納品した数です。注文1件ごと、品目ごとに数え、それを合計すると会社全体の受注残になります。金額で見るときは、数量に単価をかけて「受注残高」として扱います。

受注残の考え方 受注 注文を受けた数 例:100個 出荷・納品 すでに納めた数 例:60個 受注残 まだ納めていない数 例:40個 ▶ ▶ 出荷を記録するたびに受注残が減り、0になったら完了

受注残 = 受注した数 − 納品した数

受注残と発注残の違い

よく似た言葉に「発注残」があります。どちらも「まだ届いていない分」ですが、立場が逆です。

項目 受注残 発注残
誰からの注文か お客様から受けた注文 自社が仕入先に出した注文
残っているもの 自社がまだ納めていない分 仕入先からまだ届いていない分
見る人 営業・出荷・生産の担当 購買・仕入の担当
放っておくと 納期遅れ・出荷漏れ 欠品・二重発注

「注残」という言葉は、業界や会社によって受注残の意味でも発注残の意味でも使われます。社内で話すときは、どちらの意味かを決めておくと行き違いが起きません。

受注残を正しく数えるための4つのポイント

ポイント 1

注文は「明細」単位で持つ

1枚の注文書に複数の品目があるときは、品目ごとに受注数と納品数を持つ必要があります。注文書1枚を1行にすると、分納が入った時点で数えられなくなります。

ポイント 2

分納を記録できるようにする

100個の注文を、60個と40個に分けて出すことはよくあります。出荷のたびに数量を記録し、その合計を受注数から引く形にします。

ポイント 3

キャンセルと数量変更を分けて残す

注文の取り消しや数量の変更は、受注数そのものを書き換えるのではなく、いつ・何を変えたかを残すと、あとで数字が合わないときに追いかけられます。

ポイント 4

納期で並べて見る

受注残は、数だけでなく納期の近い順に見ることで初めて役に立ちます。納期を過ぎた残りは、目立つように分けて表示します。

Excelと業務アプリの受注残管理を比べる

観点 Excel(手で更新) Excel(関数で集計) 業務アプリ
始めやすさ ◎ すぐ始められる ○ 関数が分かれば作れる △ 準備が必要
分納への対応 × 上書きで履歴が消える △ 出荷シートとの突き合わせが要る ◎ 出荷ごとに自動で減る
複数人での更新 × 同時に触ると壊れる × 行の追加で式がずれる ◎ 担当ごとに入力できる
納期遅れの把握 △ 目で探す ○ 条件付き書式で色を付ける ◎ 遅れだけを一覧にできる
問い合わせへの回答 △ ファイルを開いて探す △ ファイルを開いて探す ◎ 注文番号で検索できる

品目と取引先が少ないうちはExcelでも十分です。分納が多い、出荷と受注の担当が分かれている、受注残を見るたびに突き合わせをしているなら、受注と出荷を同じ仕組みで記録し、受注残を自動で出す形にすると、数字のずれがなくなります。卸売業での受発注のまとめ方は卸売業の受発注管理をアプリ化する方法も参考にしてください。

受注残を見える化する4ステップ

1
今の受注と
出荷を集める
注文書・出荷伝票
Excelを洗い出す
▶
2
明細単位に
そろえる
品目ごとに
受注数を持つ
▶
3
出荷を
数量で記録
分納も
そのまま残す
▶
4
納期順の
一覧を作る
遅れを
先に見る

最初から全部の取引先を移す必要はありません。分納が多い取引先や品目から始めると、効果が見えやすく、現場の負担も小さく済みます。

受注残が見えない場合と、見える化した場合

受注残が見えない場合
  • 出荷漏れに後から気づく
  • 問い合わせのたびに書類を突き合わせる
  • 分納の残りが分からなくなる
  • 必要な在庫が読めない
受注残を見える化した場合
  • 納期の近い残りから出荷できる
  • 注文番号ですぐに答えられる
  • 出荷のたびに残りが自動で減る
  • これから要る在庫が分かる

受注残は、受注した数から納品した数を引いた「まだ納めていない分」です。注文を明細単位で持ち、出荷のたびに数量を記録する。この2つがそろえば、受注残は自動で出せるようになり、出荷漏れや問い合わせ対応の手間が大きく減ります。

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