「この製品、部品は何がいくつ要るんだっけ」

受注が入るたびに、図面を見ながら必要な部品を数え直している。設計変更があったのに、購買担当のExcelは古いまま。気づいたときには、使わなくなった部品を発注していた。製品の種類が増えるほど、こうしたズレは起きやすくなります。

この記事では、部品表(BOM)の意味と種類、記載する項目、Excelで管理したときにズレが起きる理由と、部品表をデータで持つときの手順を整理します。

部品表まわりでよくある困りごと

  • 部品表が設計・製造・購買でそれぞれ別のExcelになっている
  • 設計変更が一部のファイルにしか反映されていない
  • 中間品の中身まで数えるのが手作業で、計算を間違える
  • どの製品にどの部品を使っているか、逆から調べられない

部品表は「製品を作るのに何がいくつ要るか」の一覧

部品表(ぶひんひょう)とは、1つの製品を作るのに必要な部品・材料と、その数量を一覧にしたものです。英語の Bill of Materials を略して「BOM(ボム)」とも呼ばれます。

多くの製品は、購入した部品をそのまま使うだけでなく、社内で組み立てた「中間品」を組み合わせて作ります。そのため部品表は、製品 → 中間品 → 部品という親子関係で表すのが一般的です。

部品表の親子関係(イメージ) 製品:作業台 W-100 天板 ×1 購入品 脚ユニット ×2 中間品(社内で組立) ボルト M8 ×8 購入品 角パイプ ×2 アジャスター ×2 製品1台に必要な数:角パイプ 2×2=4本、アジャスター 2×2=4個

部品表は親子関係で持ち、製品1台あたりの必要数を下の階層まで掛け算で出す

親子関係で持っておくと、「作業台を10台作るなら、角パイプは何本要るか」を下の階層まで掛け算で出せます。在庫の引き当てや発注量の計算は、この部品表をもとに行います。

設計用と製造用で、部品表の見方が変わる

同じ製品の部品表でも、使う部署によって必要な情報が違います。よく使われる分け方は次の2つです。

項目設計部品表(E-BOM)製造部品表(M-BOM)
主に使う部署設計製造・購買・生産管理
何を表すか製品がどんな部品でできているかどの順番・工程で、何を使って作るか
含まれるもの図面に出てくる部品梱包材・消耗品・工程ごとの中間品も含む
変わるきっかけ設計変更設計変更・工程変更・仕入先の変更

部品表に書く主な項目

  • 親品目(製品・中間品)の品番と品名
  • 子品目(部品・材料)の品番と品名
  • 親1個あたりの必要数量と単位
  • 購入品か社内で作るか(内製・外注)
  • 版数(改訂番号)と適用開始日

見落とされがちなのが版数と適用開始日です。設計変更のあと、いつ作るものから新しい部品に切り替わるのかが記録されていないと、古い部品の発注や、作り間違いにつながります。

Excelの部品表でズレが起きる理由

部品表をExcelで作ること自体は珍しくありません。ただ、製品と部署が増えると、次のようなズレが起きやすくなります。

ポイント 1

同じ部品表が部署ごとにコピーされる

設計のファイルを製造や購買がコピーして使うと、設計変更があったときに全部へ反映されません。正しい部品表が1つに決まっている状態を作るのが先です。

ポイント 2

中間品の展開が手作業になる

中間品の中身まで掛け算するには、シートをまたいだ計算が必要です。式の参照がずれても気づきにくく、必要数の間違いがそのまま発注に出ます。

ポイント 3

逆引きができない

「この部品を使っている製品はどれか」を調べるには、全シートを検索するしかありません。部品の廃番や価格改定のとき、影響を確かめるのに時間がかかります。

Excelのファイルが増えて管理しきれなくなったときの整理の仕方は、Excel台帳が増えすぎた会社で最初に整理すべき3つのことでも紹介しています。

部品表をデータで持つ4ステップ

1
品目を1つにまとめる
品番の重複・表記ゆれをなくす
▶
2
親子関係を登録
製品・中間品・部品のつながりと数量
▶
3
版と適用日を付ける
設計変更をいつから反映するか
▶
4
必要数を自動で出す
受注数から部品の必要数と不足を計算

最初から全製品を登録する必要はありません。受注の多い製品や、設計変更の多い製品から始めると、効果が早く見えます。

部品表がデータになると、何が変わるか

Excelの部品表の場合
  • 部署ごとに部品表のコピーがあり、内容がずれる
  • 中間品の中身まで手で数え直す
  • 設計変更の反映漏れで、古い部品を発注する
  • ある部品を使う製品を探すのに時間がかかる
データで管理した場合
  • 正しい部品表が1つで、全部署が同じものを見る
  • 受注数を入れると部品の必要数が出る
  • 版と適用日で、切り替えのタイミングが明確になる
  • 部品から使っている製品を逆引きできる

部品の必要数がわかったあとの発注の管理は発注漏れ・二重発注を防ぐ発注管理の仕組み、製造の指示への渡し方は製造指示書とは?で紹介しています。

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