配置の電話と報告の確認で、管制の1日が終わっていませんか

警備会社の管制(内勤)の仕事は、どの現場に誰を何人送るかを決め、隊員が時間どおりに現場に入ったかを確かめ、終わったら報告を受け取ることの繰り返しです。交通誘導警備では現場が毎日のように変わり、前日や当日の朝に人数の変更が入ることも珍しくありません。

この調整を電話とホワイトボード、紙の配置表で回していると、管制担当者の頭の中にしか全体像がない状態になります。担当者が休むと配置が組めず、隊員からの上番(勤務開始)の連絡を1件ずつ電話で受けるだけで朝の時間が埋まってしまいます。

警備会社でよく起きること

  • 前日の夜まで配置が決まらず、隊員への連絡が遅れる
  • 資格者が必要な現場に、資格のない隊員を入れそうになる
  • 上番の連絡が来ない隊員に、1人ずつ電話で確認している
  • 紙の警備報告書が事務所に届くまで数日かかる
  • 月末に現場ごとの人数と時間を集計して請求するのが大変

原因は、配置・報告・請求が別々の紙と電話で動いていること

警備の業務は、「配置を決める」「現場で勤務する」「報告して請求する」の3つが1本につながっています。ところが多くの会社では、配置は配置表、勤務の連絡は電話、報告は紙、請求はExcelと、それぞれ別の場所に記録されています。

そのため、配置表では5人の予定だったのに実際は4人だった、残業が発生したのに請求に反映されていない、といった食い違いが起きます。防ぐには、配置の予定に対して、上番・下番の実績と報告を同じ記録に積み上げていくことが必要です。

配置から請求までを1本の記録でつなぐ 配置 現場・人数・資格を確認 ▶ 上番・下番 隊員がスマホで報告 ▶ 報告・請求 実績から自動で集計 当日の配置状況 「上番の報告がまだの隊員」「欠員が出た現場」を管制が一覧で確認

予定と実績が同じ画面にあるので、食い違いにすぐ気づける

ポイントは、隊員が電話をかけるのではなく、スマホで上番・下番を押すだけにすることです。管制は報告のない隊員だけに連絡すればよくなり、朝の電話の本数が大きく減ります。

隊員配置と勤務報告をアプリ化するときの5つのポイント

POINT 1

隊員の資格と経験を登録しておく

現場によっては、検定に合格した警備員の配置が必要なことがあります。隊員ごとに保有資格と経験した現場の種類を登録しておき、配置するときに条件を満たしているかを画面で確認できるようにします。

POINT 2

現場ごとの必要人数と時間を先に入れる

取引先から受けた依頼を、現場・日付・時間帯・必要人数・必要な資格の形で登録します。これが配置表の元になり、足りない現場がひと目で分かります。

POINT 3

上番・下番はボタン1つで報告する

隊員はスマホで「上番」「下番」を押すだけにし、時刻と位置が記録されるようにします。報告が一定時間ないときに管制へ知らせる設定にすれば、遅刻や連絡漏れにすぐ対応できます。

POINT 4

警備報告書を現場で入力する

紙の報告書を事務所に持ち帰る代わりに、現場で入力して写真を添付する形にします。取引先への報告もそのまま出力できれば、書き写しの手間がなくなります。巡回や作業の報告をアプリにする考え方は清掃会社の作業報告と巡回チェックをアプリ化する方法とも共通しています。

POINT 5

実績から請求と給与の元データを作る

上番・下番の時刻が記録されていれば、現場ごとの人数と時間、残業、深夜の時間を自動で集計できます。月末の請求書と、隊員の給与計算の元データを同じ記録から作れるようになります。

法定の教育記録も同じ仕組みで管理する

警備員には、法律で定められた教育を実施し、その記録を残すことが求められています。隊員ごとの教育の実施日と内容を配置と同じ名簿で管理しておけば、次の教育が必要な人も一覧で分かります。

電話と紙・Excelの配置表・業務アプリの比較

隊員配置と勤務報告の管理方法を、管制の手間と食い違いの起きにくさで比べます。

観点 電話と紙 Excelの配置表 業務アプリ
配置の見やすさ × 管制の頭の中 △ 1人が更新すれば見える ◎ 欠員が一覧で分かる
上番・下番の確認 × 1件ずつ電話 × 電話で聞いて入力 ◎ 未報告だけ通知
資格者の確認 △ 覚えている人次第 △ 別の名簿と照合 ◎ 配置時に自動で確認
請求の集計 × 報告書から手で拾う △ 転記が必要 ◎ 実績から自動で集計

隊員が十数人程度で、現場がほぼ固定されている施設警備が中心なら、Excelの配置表でも回すことができます。その場合も、配置表と上番・下番の実績を同じファイルに並べて記録すると、請求のときの拾い漏れが減ります。

交通誘導警備のように現場が毎日変わる、隊員が数十人以上いる、当日の人数変更が多いといった会社では、電話とExcelの組み合わせでは管制の負担が限界に近づきます。スタッフの稼働を現場ごとに管理する仕組みは、人材派遣の業務とも近いので、人材派遣会社のスタッフ稼働管理をアプリ化する方法もあわせて参考にしてください。

配置と報告の仕組みを作る4ステップ

1
隊員と現場を
登録する
資格・経験・
現場の条件
▶
2
配置表を
画面にする
必要人数と
欠員を表示
▶
3
上番・下番を
スマホにする
未報告だけ
管制へ通知
▶
4
報告と請求を
つなげる
実績から
自動で集計

隊員の勤務希望も同じ画面で集める

配置の前には、隊員から出勤できる日を集める作業があります。勤務希望をスマホで提出してもらい、配置表と並べて見られるようにすると、電話での聞き取りが減ります。希望の集め方はシフト希望の提出と調整をアプリ化する方法で詳しく解説しています。

最初からすべてをアプリにする必要はありません。朝の上番確認の電話がいちばん負担になっているなら、そこだけをスマホにするところから始め、効果を見ながら配置表や報告書へ広げていくのが確実です。

電話と紙の場合と、アプリで管理した場合

電話と紙の場合
  • 配置が管制担当者の頭の中にしかない
  • 上番の確認に朝の時間が取られる
  • 報告書が届くまで数日かかる
  • 月末の請求集計に丸1日かかる
アプリで管理した場合
  • 誰でも配置状況と欠員を確認できる
  • 報告のない隊員にだけ連絡すればよい
  • 報告書がその日のうちに届く
  • 実績から請求の元データができる

警備会社の業務は、配置・勤務・報告・請求がすべて「どの現場に、誰が、何時から何時までいたか」という1つの記録でつながっています。まずは上番・下番の報告をスマホにして、この記録を正しく残すところから始めてください。

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