校正の期限が切れた計測器で、検査をしていた
ノギスやマイクロメーターの校正期限をExcelで管理しているが、確認するのは担当者が思い出したときだけ。気づいたら期限が切れていて、その間に測った製品をどう扱うかで慌てた。台帳には載っているのに、実物がどこにあるかわからない計測器もある。
この記事では、計測器の校正管理台帳に載せる項目、校正周期の決め方、期限切れを防ぐ仕組みの作り方を整理します。求められる管理の内容は、取引先の要求や認証の有無によって変わるため、ここでは一般的な考え方として紹介します。
校正管理でよくある困りごと
- 校正の期限切れに気づくのが遅れる
- 計測器の置き場所がわからない
- 校正の記録(成績書)がすぐに出てこない
- 期限切れの計測器で測った製品の範囲がわからない
基準と比べて、計測器のずれを確かめること
校正は、計測器が示す値と、より正確な基準の値を比べて、どれだけずれているかを確かめることです。基準をたどっていくと国家標準までつながっていることを「トレーサビリティ」と呼び、社外の校正機関に出す場合は、その証明となる校正証明書を受け取ります。
校正管理の流れ
日々の始業前に行うゼロ点の確認などは「点検」で、校正とは分けて考えます。設備の日常点検の記録の残し方は設備点検表の作り方で扱っています。
校正管理台帳に載せる主な項目
| 項目 | 書く内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 管理番号 | 計測器ごとの番号(本体にも貼る) | NG-012 |
| 名称・型式 | 計測器の種類と型式 | デジタルノギス 150mm |
| 置き場所・使う工程 | 普段置いている場所 | 第2工場 検査台 |
| 校正周期 | 何か月ごとに校正するか | 12か月 |
| 前回の校正日・次回の期限 | 校正した日と、次の期限 | 2026年4月10日 / 2027年4月9日 |
| 校正の方法・結果 | 社内か社外か、合否 | 社外校正・合格(証明書あり) |
校正周期は、メーカーの推奨、使う頻度、過去の校正結果のずれ方を見て決めます。続けて合格している計測器は周期を延ばし、ずれが見つかった計測器は短くする、と見直していくのが一般的です。
期限の確認が、人の記憶に頼っている
| 項目 | 紙 | Excel | アプリ(データ) |
|---|---|---|---|
| 期限の確認 | 台帳を見に行く | 開いたときだけ色が変わる | 期限が近づくと担当者に通知 |
| 校正の記録 | 証明書を綴じる | ファイルの場所が別 | 計測器ごとに証明書を添付 |
| 所在 | 書いていない | 列はあるが更新されない | 貸し出し・返却をその場で記録 |
| 期限切れの影響 | 後から検査記録を探す | 別のファイルを突き合わせる | その計測器を使った検査記録を絞り込める |
Excelでも期限の列に色を付けることはできますが、ファイルを開かない限り誰も気づかないのが弱点です。
期限切れを防ぐ4ステップ
まず棚卸しから
台帳と実物が合っていない状態でシステムに入れても、ずれたまま残ります。最初に一度、全部集めて数を合わせます。
期限切れは使えなくする
期限が切れた計測器は「使用禁止」の表示にして、検査の入力画面で選べないようにすると、うっかり使うのを防げます。
期限は知らせが来て、記録はすぐ出せる
- 担当者が思い出したときに期限を確認する
- 証明書を探すのにファイルをめくる
- 期限切れが見つかると影響範囲の調査に数日かかる
- 期限が近づくと担当者に自動で知らせが届く
- 計測器ごとに校正の記録と証明書がすぐ出せる
- その計測器を使った検査記録をすぐに一覧にできる
取引先の監査で「この検査に使った計測器の校正記録を見せてください」と聞かれたときに、その場で出せるようになるのが大きな変化です。
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