届いた材料の不良に、加工したあとで気づく

加工を始めてから、材料の寸法が違うことに気づく。数を数えたら注文より少なかったが、いつ届いた分なのかわからない。仕入先に連絡しようにも、受け取ったときの記録が残っていない。届いた時点で確かめて記録しておかないと、不良が工程の奥まで流れてしまいます。

この記事では、受入検査とは何か、入荷検品との違い、全数検査と抜き取り検査の使い分け、記録に書く項目と、紙やExcelからアプリにする手順を整理します。検査の方法や基準は、扱う品目やお客様との取り決めによって変わるため、ここでは一般的な考え方として紹介します。

入荷・受け入れでよくある困りごと

  • 材料の不良に、加工したあとで気づく
  • 数量違いや品目違いに気づくのが遅れる
  • どのロットがいつ届いたか、記録が追えない
  • 不合格品が、ほかの在庫と混ざってしまう

届いた物が「注文どおりか」「基準を満たすか」を、受け取る時点で確かめる

受入検査は、仕入先から届いた材料・部品・製品が、注文した内容どおりで、決めた品質の基準を満たしているかを、受け取る時点で確かめることです。現場では、品目や数量を確かめることを「入荷検品」、寸法や外観など品質まで確かめることを「受入検査」と呼び分けることが多くあります。

受入検査の流れ(届いた物を、注文と基準の両方で確かめる)入荷納品書と現物注文と照合品目・数量・ロット品質の検査寸法・外観など合格 → 在庫へ保留 → 判定待ちの置き場不合格 → 分けて返品・選別入荷検品:品目・数量が注文どおりか受入検査:品質まで基準を満たすか

注文との照合と品質の検査を経て、合格・保留・不合格に分ける

大事なのは、合格した物と、不合格・判定待ちの物を置き場から分けることです。記録をどれだけ丁寧に付けても、不合格品が在庫に混ざってしまえば意味がありません。

全数検査・抜き取り検査・書類確認の使い分け

方法全数検査抜き取り検査書類での確認
やり方届いた物をすべて検査する決めた数だけ取り出して検査し、全体の合否を決める仕入先の検査成績書などを確かめる
向いている物数が少ない物、重要な部品数が多く、品質が安定している物取引の実績があり、品質が安定している仕入先
手間大きい中くらい小さい
気をつけること検査する人の疲れで見落とす取り出し方と数のルールを決めておく定期的に実物も確かめる

どの方法を選ぶかは、品目の重要さと、その仕入先の過去の不良の出方で決めます。抜き取りの数や合否の判定方法は、社内やお客様との取り決めに合わせて決めます。仕入先から届く検査成績書については検査成績書とはで紹介しています。

受入検査の記録に書く主な項目

  • 入荷日・仕入先・発注番号
  • 品目・注文数と実際に届いた数
  • 仕入先のロット番号
  • 検査項目・基準・検査の方法(全数・抜き取りの数)
  • 結果(合格・不合格・保留)と検査した人
  • 不合格のときの処置(返品・選別・仕入先への連絡)

紙・Excelで受入検査を回すと

項目紙Excelアプリ(データ)
注文との照合発注書の控えを探して見比べる別ファイルの発注一覧と見比べる発注番号を選ぶと注文内容が出る
結果の記録検査票を手書きしてファイルに綴じるあとで事務所で転記その場でスマホやタブレットに入力
在庫への反映別の台帳に書き写すシートをまたいで入力し直す合格した数がそのまま在庫に加わる
仕入先ごとの不良集計できない集計は手作業仕入先・品目ごとの不合格の数が見える

受入検査の記録を発注のデータとつなげると、注文した数と届いた数の差や、まだ届いていない注文もすぐにわかるようになります。発注の管理は発注漏れ・二重発注を防ぐ仕組みでも扱っています。

受入検査の記録をアプリにする4ステップ

1
発注データとつなぐ
発注番号から、品目・数量を呼び出せるように
▶
2
品目ごとに検査を決める
検査項目・基準・全数か抜き取りかを品目に持たせる
▶
3
結果をその場で入力
数量・ロット・合否を選んで入力
▶
4
不合格の処置まで残す
返品・選別・連絡をした記録を同じ画面に
ポイント 1

まずは数量とロットだけでも記録する

品質の検査まで一度に始めなくても、届いた数とロット番号を残すだけで、あとから追える範囲が大きく広がります。

ポイント 2

ロット番号はそのまま引き継ぐ

仕入先のロット番号を受け入れ時に記録し、使った工程や製品にも引き継ぐと、問題が出たときにさかのぼれます。

ポイント 3

仕入先ごとの結果を見返す

仕入先ごとの不合格の数を定期的に見ると、検査を減らせる品目と、厳しくすべき品目がわかります。

受入検査の記録がつながると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 材料の不良に加工後に気づく
  • 注文と届いた数の照合に時間がかかる
  • どのロットがいつ届いたか追えない
  • 仕入先ごとの不良がわからない
アプリで管理した場合
  • 受け取る時点で不良を止められる
  • 発注番号を選ぶだけで照合できる
  • 入荷日とロットで記録をたどれる
  • 仕入先・品目ごとの不良が数字で見える

届いた材料のロットを製品までたどる仕組みはロット管理とは、在庫の数を合わせる方法は在庫管理を効率化する方法でも紹介しています。

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