点検表は毎日埋まっているのに、設備が突然止まる

点検表には毎日○が並んでいる。それなのに設備が突然止まり、修理を待つ間ラインが動かない。前にも同じ故障があった気がするが、いつ何を直したかの記録が見つからない。点検の結果と故障の履歴がつながっていないと、同じトラブルを繰り返してしまいます。

この記事では、設備点検表と保全記録の作り方、日常点検・定期点検との違い、紙やExcelからアプリにするときの手順を整理します。なお、クレーンやフォークリフトなど、法令で定期的な自主検査が決められている設備もあります。対象になるかどうかや記録の残し方は、厚生労働省などの公式情報や所轄の労働基準監督署で確認してください。この記事では、社内で決める点検と記録の仕組みを扱います。

設備の点検・保全でよくある困りごと

  • 点検が形だけになり、○を付けるだけになっている
  • 異常に気づいても、誰に伝えればいいか決まっていない
  • 故障や修理の履歴が、担当者の記憶やノートにしかない
  • 点検表がどの設備に何枚あるのか、把握できていない

設備ごとに「何を・どの基準で・いつ見るか」を決め、結果を残す表

設備点検表は、設備ごとに点検する項目・判定の基準・点検の頻度を決め、その結果を日付ごとに記録する表です。そして保全記録は、故障や修理、部品の交換などの履歴を設備ごとに残したものです。点検で見つけた異常を保全記録につなげると、故障の傾向が見えるようになります。

設備点検表のイメージ(日ごとの点検結果を一覧にする)設備:プレス機 No.3 点検表(10月)点検項目判定基準1日2日3日4日5日6日7日油量規定線以上○○○○○○○異音なし○○○×○○○非常停止作動する○○○○○○○エア圧0.5MPa前後○○○○○4日の異音 → 修理記録へ(症状・原因・処置・止まった時間・交換した部品)

日ごとの点検結果を並べると、異常(×)も点検の抜け(空欄)も一目でわかる。異常は修理記録につなげる

点検表で大事なのは、「異常なし」の判断ができる基準を書くことです。「油量:確認」ではなく「油量:規定線以上」のように書くと、人によって判断が変わりません。

日常点検・定期点検・保全記録の違いと、書く項目

種類日常点検定期点検保全記録
目的使う前に異常がないか確かめる消耗や劣化を計画的に確かめる故障・修理・交換の履歴を残す
頻度始業時など毎日月ごと・年ごとなど決まった時期故障や作業が起きたとき
主にする人設備を使う作業者保全の担当者や設備メーカー修理した人・保全の担当者
中身の例油量・異音・非常停止の動作部品の摩耗・ベルトの張り・精度症状・原因・処置・止まった時間

設備点検表・保全記録の主な項目

  • 設備名・設備番号・設置場所
  • 点検項目と判定基準(数値や状態で書く)
  • 点検の頻度と、点検した人・日付
  • 結果(○×だけでなく、必要なら測った値)
  • 異常があったときの処置と連絡先
  • 修理の記録:症状・原因・処置・止まった時間・交換した部品・費用

紙・Excelで設備点検と保全記録を回すと

項目紙(設備に下げる)Excelアプリ(データ)
点検の入力設備のそばで手書きあとで事務所で転記設備のQRコードを読んでスマホで入力
異常の連絡口頭や電話で伝える見返すまでわからない×を付けたら保全担当に通知できる
故障の履歴ノートや記憶に頼るファイルが設備ごとに散らばる設備ごとに点検と修理の履歴がまとまる
点検の抜け月末にまとめて見るまでわからない空欄を目で探す未点検の設備を一覧で表示できる

紙の点検表は、設備に下げておけるという良さがあります。その良さを残すには、設備にQRコードを貼り、読み取ればその設備の点検画面が開く形にするのが近道です。紙の記録をスマホ入力に切り替えるときの考え方は紙の日報をスマホ入力へでも紹介しています。

設備点検と保全記録をアプリにする4ステップ

1
設備台帳を作る
設備番号・場所・メーカー・導入日を一覧に
▶
2
項目と基準を決める
設備ごとに点検項目・判定基準・頻度を決める
▶
3
QRで点検を入力
設備のQRを読んで、選ぶだけで結果を入力
▶
4
異常を修理記録へ
×の結果から、そのまま修理の記録を起こす
ポイント 1

点検項目は少なく始める

最初から項目を増やすと、○を付けるだけの点検になりがちです。止まると困る設備の、止まる原因になりやすい項目から始めます。

ポイント 2

「止まった時間」を必ず残す

修理の記録に、設備が止まっていた時間を残すと、どの設備の故障がいちばん痛いかがわかり、予防の優先順位を決められます。

ポイント 3

点検の結果を見返す日を決める

月に一度、×が出た項目と修理の履歴を見返す日を決めると、点検が記録だけで終わらず、故障の予防につながります。

点検と保全の記録がつながると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 点検が○を付けるだけになりがち
  • 異常の連絡が人づてで遅れる
  • 故障の履歴が担当者の記憶頼み
  • 同じ故障を繰り返す
アプリで管理した場合
  • 基準つきで点検し、迷わず判断できる
  • 異常を入力した時点で保全担当に届く
  • 設備ごとに点検と修理の履歴が見られる
  • 故障の傾向から、先に手を打てる

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