「あの注文、今どこまで進んでる?」にすぐ答えられるか
営業から「来週納品の注文、間に合いますか」と聞かれる。現場に電話し、担当者を探し、ホワイトボードを見に行って、ようやく「溶接で止まっている」とわかる。注文ごとの進み具合が一か所で見えないと、こうしたやり取りが毎日のように起きます。
この記事では、製造業の工程管理表とは何か、書く項目、よく使われる形式の違い、紙やExcelからアプリに切り替えるときの手順を整理します。なお、建設工事の「工程表」は工事の段取りを示す別の書類で、この記事では工場の製造工程を扱います。
工程管理でよくある困りごと
- 進み具合を知るのに、現場まで聞きに行く
- ホワイトボードの情報が古いまま
- 遅れに気づくのが、納期の直前になる
- どの工程に仕事がたまっているかわからない
工程ごとの「予定」と「実績」を並べて、遅れを見つける表
工程管理表は、注文や製品ごとに、各工程をいつ始めていつ終える予定か、実際にはどこまで進んだかを並べた表です。生産計画で決めた日程が、現場で予定どおりに進んでいるかを確かめるために使います。
工程ごとに予定と実績を並べると、どこで遅れが出ているかが一目でわかる
生産計画表が「これから何を作るか」を決める表だとすると、工程管理表は「決めたとおりに進んでいるか」を見る表です。計画の立て方は生産計画表の作り方で紹介しています。
工程管理表に書く項目と、よく使われる形式
工程管理表の主な項目
- 注文番号・品目・数量・納期
- 工程名(切断・加工・組立・検査など)
- 各工程の予定開始日・予定完了日
- 各工程の実績(開始・完了・できた数)
- 担当者・設備、遅れの理由
| 形式 | ガントチャート | 進捗表(一覧) | かんばん(工程ごとの列) |
|---|---|---|---|
| 見え方 | 横棒で日程を表す | 注文ごとに工程の状況を一覧 | 工程の列に注文のカードを並べる |
| 向いていること | 日程の重なりや遅れを見る | 多くの注文の状況をまとめて見る | どの工程に仕事がたまっているかを見る |
| 向いている現場 | 工程が長い一品ものや受注生産 | 注文の数が多い現場 | 流れ作業や工程ごとに班が分かれる現場 |
どれか一つが正解というわけではありません。管理する側はガントチャートで日程を見て、現場はかんばんで今日の仕事を見る、というように同じデータを見る人に合わせて形を変えるのが使いやすい方法です。
紙・Excelで工程管理表を回すと
| 項目 | ホワイトボード・紙 | Excel | アプリ(データ) |
|---|---|---|---|
| 実績の更新 | 書きに行く必要がある | 事務所のパソコンで入力 | 現場のタブレットやスマホで入力 |
| 情報の新しさ | 書き忘れで古くなる | まとめて入力するので遅れる | 入力した時点で反映 |
| 遅れの発見 | 見に行かないとわからない | 色付けなどを手で行う | 予定を過ぎたら自動で目立たせられる |
| 形式の切り替え | 1つの形しか作れない | 表ごとに作り直す | 同じデータを複数の形で表示 |
| 過去の記録 | 消して書き直すので残らない | ファイルが増えて探しにくい | 注文ごとに履歴が残る |
Excelの工程管理表は、作り込むほど作った人しか直せなくなりがちです。この点はExcelマクロの属人化でも扱っています。
工程管理表をアプリにする4ステップ
工程は細かくしすぎない
最初は5〜8工程くらいに分けると、現場の入力が続きます。細かく分けるのは、慣れてからでも遅くありません。
入力は「完了」だけでも始められる
開始と完了の両方を求めると、入力の負担が倍になります。まずは完了とできた数だけを記録し、必要になったら開始を足します。
遅れの理由を選べるようにする
材料待ち・設備故障・前工程の遅れなど、理由を選んで残すと、次に同じ遅れを防ぐ手がかりになります。
工程の進み具合が見えると、何が変わるか
- 進み具合を知るのに、現場へ聞きに行く
- 遅れに気づくのが納期の直前
- どの工程に仕事がたまっているかわからない
- 終わった注文の記録が残らない
- 事務所からも現場の進み具合が見える
- 予定を過ぎた工程がすぐ目に入る
- 工程ごとの仕事のたまり具合が見える
- 注文ごとの記録が残り、次の計画に使える
現場への指示の出し方は製造指示書・作業指示書を電子化する方法、製造業の業務全体は製造業向け業務アプリでも紹介しています。
工程の進み具合を、
事務所からも見えるようにしませんか?
今お使いの工程管理表やホワイトボードの項目に合わせて、現場で入力できる工程管理アプリを作れます。
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