「あの注文、今どこまで進んでる?」にすぐ答えられるか

営業から「来週納品の注文、間に合いますか」と聞かれる。現場に電話し、担当者を探し、ホワイトボードを見に行って、ようやく「溶接で止まっている」とわかる。注文ごとの進み具合が一か所で見えないと、こうしたやり取りが毎日のように起きます。

この記事では、製造業の工程管理表とは何か、書く項目、よく使われる形式の違い、紙やExcelからアプリに切り替えるときの手順を整理します。なお、建設工事の「工程表」は工事の段取りを示す別の書類で、この記事では工場の製造工程を扱います。

工程管理でよくある困りごと

  • 進み具合を知るのに、現場まで聞きに行く
  • ホワイトボードの情報が古いまま
  • 遅れに気づくのが、納期の直前になる
  • どの工程に仕事がたまっているかわからない

工程ごとの「予定」と「実績」を並べて、遅れを見つける表

工程管理表は、注文や製品ごとに、各工程をいつ始めていつ終える予定か、実際にはどこまで進んだかを並べた表です。生産計画で決めた日程が、現場で予定どおりに進んでいるかを確かめるために使います。

工程管理表(ガントチャート形式)のイメージ 10/1 10/2 10/3 10/4 10/5 10/6 10/7 切断 曲げ 溶接 検査・出荷 今日 予定 実績 予定より遅れている工程

工程ごとに予定と実績を並べると、どこで遅れが出ているかが一目でわかる

生産計画表が「これから何を作るか」を決める表だとすると、工程管理表は「決めたとおりに進んでいるか」を見る表です。計画の立て方は生産計画表の作り方で紹介しています。

工程管理表に書く項目と、よく使われる形式

工程管理表の主な項目

  • 注文番号・品目・数量・納期
  • 工程名(切断・加工・組立・検査など)
  • 各工程の予定開始日・予定完了日
  • 各工程の実績(開始・完了・できた数)
  • 担当者・設備、遅れの理由
形式ガントチャート進捗表(一覧)かんばん(工程ごとの列)
見え方横棒で日程を表す注文ごとに工程の状況を一覧工程の列に注文のカードを並べる
向いていること日程の重なりや遅れを見る多くの注文の状況をまとめて見るどの工程に仕事がたまっているかを見る
向いている現場工程が長い一品ものや受注生産注文の数が多い現場流れ作業や工程ごとに班が分かれる現場

どれか一つが正解というわけではありません。管理する側はガントチャートで日程を見て、現場はかんばんで今日の仕事を見る、というように同じデータを見る人に合わせて形を変えるのが使いやすい方法です。

紙・Excelで工程管理表を回すと

項目ホワイトボード・紙Excelアプリ(データ)
実績の更新書きに行く必要がある事務所のパソコンで入力現場のタブレットやスマホで入力
情報の新しさ書き忘れで古くなるまとめて入力するので遅れる入力した時点で反映
遅れの発見見に行かないとわからない色付けなどを手で行う予定を過ぎたら自動で目立たせられる
形式の切り替え1つの形しか作れない表ごとに作り直す同じデータを複数の形で表示
過去の記録消して書き直すので残らないファイルが増えて探しにくい注文ごとに履歴が残る

Excelの工程管理表は、作り込むほど作った人しか直せなくなりがちです。この点はExcelマクロの属人化でも扱っています。

工程管理表をアプリにする4ステップ

1
工程を洗い出す
製品ごとに、通る工程と順番を書き出す
▶
2
記録する時点を決める
開始・完了・できた数のどれを残すか
▶
3
現場で入力できる形に
タブレットやスマホで、選ぶだけで入力
▶
4
見る人ごとの画面
管理者は日程、現場は今日の作業を表示
ポイント 1

工程は細かくしすぎない

最初は5〜8工程くらいに分けると、現場の入力が続きます。細かく分けるのは、慣れてからでも遅くありません。

ポイント 2

入力は「完了」だけでも始められる

開始と完了の両方を求めると、入力の負担が倍になります。まずは完了とできた数だけを記録し、必要になったら開始を足します。

ポイント 3

遅れの理由を選べるようにする

材料待ち・設備故障・前工程の遅れなど、理由を選んで残すと、次に同じ遅れを防ぐ手がかりになります。

工程の進み具合が見えると、何が変わるか

紙・ホワイトボードの場合
  • 進み具合を知るのに、現場へ聞きに行く
  • 遅れに気づくのが納期の直前
  • どの工程に仕事がたまっているかわからない
  • 終わった注文の記録が残らない
アプリで工程を記録した場合
  • 事務所からも現場の進み具合が見える
  • 予定を過ぎた工程がすぐ目に入る
  • 工程ごとの仕事のたまり具合が見える
  • 注文ごとの記録が残り、次の計画に使える

現場への指示の出し方は製造指示書・作業指示書を電子化する方法、製造業の業務全体は製造業向け業務アプリでも紹介しています。

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