計画表はあるのに、現場の予定と合っていない
月初に作った生産計画表が、半ばにはもう実態と合っていない。急な注文や材料の遅れが入るたびに、担当者が頭の中で組み替え、現場には口頭で伝える。計画表を見ても、今日なにを作るのかがわからない。製造業では、こうした状態が少なくありません。
この記事では、生産計画表の種類と書く項目、作り方の手順、そして計画を現場の生産指示書(製造指示書)へつなぐときの考え方を整理します。
生産計画表でよくある困りごと
- 計画表がExcelの1ファイルにあり、作った人しか直せない
- 受注が変わっても計画表が更新されない
- 材料の手配と生産の予定がずれる
- 計画と実績の差がわからず、次の計画に活かせない
「いつ・何を・どれだけ作るか」を期間ごとに決めた表
生産計画表は、受注や需要の見込みをもとに、いつ・何を・どれだけ作るかを決めた表です。一枚で全部を決めるのではなく、期間の長さごとに、大日程・中日程・小日程の3段階に分けて考えるのが一般的です。
生産計画表は、大日程から小日程へ細かくしていき、最後に現場への指示書になる
大日程は経営や営業と話す粗い計画、小日程は現場が毎日見る細かい予定です。小日程まで落とした内容を、作業者が読める形にしたものが生産指示書(製造指示書)になります。指示書に書く項目は製造指示書とは?で詳しく紹介しています。
生産計画表に書く主な項目
会社や製品によって項目は変わりますが、まずは次の項目がそろっているかを確認します。
計画表の主な項目
- 品目(製品名・品番)と数量
- 納期と、そこから逆算した着手日・完了日
- 使う設備・ライン、担当する班や人
- 必要な材料と、その手配の状況
- 計画数と実績数(後から比べるため)
このうち抜けやすいのが実績数です。計画だけを書いて実績を残さないと、どこで遅れたのか、次の計画でどれだけ余裕を見ればよいのかがわかりません。必要な材料の数は、製品ごとの部品表(BOM)から計算します。
紙・Excel・アプリで生産計画を回すと
| 項目 | 紙・ホワイトボード | Excel | アプリ(データ) |
|---|---|---|---|
| 計画の変更 | 書き直しが必要 | 作った人しか直しにくい | 画面で変えると全員に反映 |
| 受注とのつながり | 受注台帳と別々 | 別ファイルを見て手で写す | 受注から計画を作れる |
| 材料の手配 | 別の表で確認 | 部品表と手で照合 | 必要量を自動で計算できる |
| 現場への指示 | 口頭や手書きで伝える | 印刷して配る | 計画から指示書を出せる |
| 計画と実績の比較 | 集計が大変 | 入力の手間がかかる | 実績入力で自動的に比べられる |
Excelでも、品目と日付を軸にした表で生産計画は十分に作れます。困るのは、受注・材料・指示書・実績がそれぞれ別のファイルにあり、変更のたびに手で写すときです。受注の状況は受注残(注残)とは?でも整理しています。
生産計画表を作る4ステップ
計画は「変わる前提」で作る
急な注文や不良は必ず起きます。毎週や毎日など、見直すタイミングを最初に決めておくと、計画表が実態から離れにくくなります。
能力を超えた計画を立てない
1日に作れる量(設備や人の能力)を先に決めて、それを超えないように割り付けます。超えるときは、残業か納期の相談かを早めに判断します。
実績を同じ表に戻す
計画の横に実績を入れられるようにしておくと、遅れがどこで起きたかがすぐわかります。現場の実績は日報から集めると手間が少なくなります。
計画と指示書がつながると、何が変わるか
- 受注が変わるたびに、計画表と指示書を両方直す
- 現場は口頭の変更に頼り、聞き漏れが起きる
- 材料の不足に、作る直前で気づく
- 計画と実績の差がわからない
- 計画を変えると、現場の指示もそのまま変わる
- 今日作るものを、現場が画面で確認できる
- 必要な材料と在庫の差が先にわかる
- 計画と実績の差から、次の計画の余裕を決められる
製造業の業務全体をどうアプリにするかは製造業向け業務アプリ、現場の実績の集め方は紙の日報をスマホ入力へ変えるときの設計ポイントでも紹介しています。
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