不良が出たとき「その工程で何を確認していたか」がすぐ出てくるか

お客様から不良の連絡が来た。原因を調べようとしても、その工程で何を測ることになっていたのか、どのくらいの頻度で測っていたのか、記録はどこにあるのかが人によって答えが違う。確認の決めごとが一枚にまとまっていないと、こうした調べものに時間がかかります。

この記事では、製造業で使うQC工程表とは何か、書く項目、作業標準書や検査成績書との違い、紙やExcelからアプリにするときの手順を整理します。会社や業界によって様式や呼び方(品質管理工程表、QC工程図など)は異なるため、ここでは一般的な考え方として紹介します。

QC工程表まわりでよくある困りごと

  • 工程ごとに何を確認するかが、ベテランの頭の中にしかない
  • QC工程表はあるが、作られたときのまま更新されていない
  • 確認した結果の記録が、別々の紙やファイルに散らばっている
  • お客様や監査で求められたとき、すぐに出せない

工程ごとに「何を・どの基準で・どの頻度で確かめるか」をまとめた表

QC工程表は、材料の受け入れから加工・組立・検査・出荷までの流れに沿って、工程ごとの管理項目・基準・確認の方法と頻度・記録の残し先を一覧にした表です。どこで品質をつくり込み、どこで確かめているかを、工程の順番で見渡せるようにするために使います。

受入加工組立検査出荷材料の寸法抜き取り受入記録へ穴径・長さ初品と2時間ごとチェックシートへ締付トルク全数作業記録へ外観・動作全数検査成績書へ数量・梱包出荷ごと出荷記録へQC工程表のイメージ(工程ごとに「何を・どの頻度で・どこに記録するか」)工程の流れ各工程の管理項目・頻度・記録先

工程の流れに沿って、確認すること・頻度・記録の残し先を並べたもの

ポイントは、「何を確認するか」だけでなく「その結果をどこに残すか」まで書くことです。記録先が決まっていないと、確認したかどうかを後から確かめられません。

QC工程表に書く項目と、作業標準書・検査成績書との違い

QC工程表の主な項目

  • 工程の順番と工程名(受入・加工・組立・検査・出荷など)
  • 管理項目(寸法・トルク・温度・外観など)と管理基準(規格値)
  • 確認の方法と使う測定具
  • 確認の頻度と数(全数・抜き取り・初品のみなど)
  • 担当者、記録の様式(どの帳票に残すか)
  • 基準から外れたときの処置と連絡先
書類QC工程表作業標準書検査成績書
何のための書類か工程全体の品質の決めごとを一覧にする1つの作業のやり方とコツを示す検査した結果を記録して示す
単位製品(品目)ごとに1枚作業ごとに1枚出荷やロットごとに1枚
主に見る人品質管理・工程設計の担当現場で作業する人お客様・社内の品質担当
中身管理項目・基準・頻度・記録先手順・急所・注意点測定値と合否

QC工程表が「どの工程で何を確かめるか」の地図だとすると、作業のやり方そのものは作業標準書に、確かめた結果は検査成績書などの記録に書きます。3つをつなげておくと、不良が出たときにさかのぼりやすくなります。

紙・ExcelでQC工程表を回すと

項目紙Excelアプリ(データ)
記録とのつながりQC工程表と記録用紙が別々シートが分かれ、リンクは手作業工程ごとの確認項目から、そのまま記録を入力
改訂配った紙の差し替えが漏れる古いファイルが残りやすい最新版だけを現場に表示
基準外れの発見記録を見返すまでわからない条件付き書式を手で設定基準を外れた値を入力した時点で目立たせられる
さかのぼりファイルや棚を探すファイルをまたいで探す製品・工程・日付で絞り込める

QC工程表は作って終わりになりやすい書類です。工程や設備が変わったのに表が古いまま、ということが起きないよう、改訂の仕組みまで一緒に考えます。Excelでの管理が限界に来ているかどうかはExcel管理の限界でも整理しています。

QC工程表をアプリにする4ステップ

1
工程を並べる
製品ごとに、通る工程を順番に書き出す
▶
2
管理項目と基準
工程ごとに、確かめることと基準値を決める
▶
3
記録欄とつなぐ
確認項目から、そのまま結果を入力できる形に
▶
4
外れたときの流れ
基準外れの連絡先と処置を決めておく
ポイント 1

最初から全工程を作り込まない

不良が多い工程や、お客様から求められている工程から始めると、効果が見えやすく現場の協力も得やすくなります。

ポイント 2

頻度は「いつ」で書く

「適宜」ではなく「始業時と2時間ごと」「ロットの最初の1個」のように書くと、記録が抜けたときに気づけます。

ポイント 3

記録の入力は選ぶだけにする

合否や測定値の入力欄を工程ごとに用意し、測定具や担当者は選ぶだけにすると、現場の手間が増えません。

QC工程表と記録がつながると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 確認の決めごとが人によって違う
  • 記録が散らばり、探すのに時間がかかる
  • 基準外れに気づくのが遅れる
  • 改訂した表が現場に行き渡らない
アプリで管理した場合
  • 工程ごとの確認項目が画面で示される
  • 製品・工程・日付で記録をすぐ出せる
  • 基準外れの値がその場で目立つ
  • 現場には常に最新版が表示される

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