月末の棚卸で、作りかけの物の数がいつも合わない

棚卸のたびに、作りかけの製品の数が帳簿と合わない。工程の間に置かれた物が、どの注文の分なのかわからない。急ぎの注文が入っても、今どこまで進んでいるのかを現場に聞きに行かないとわからない。作りかけの物、つまり仕掛品の数と場所が記録で追えていない状態です。

この記事では、仕掛品とは何か、原材料・半製品・製品との違い、仕掛品の数が合わなくなる理由と、工程の間の移動を記録して数と場所を見えるようにする手順を整理します。仕掛品の金額の計算や会計上の扱いは会社によって異なるため、決算に関わる部分は顧問の税理士・会計士に確認してください。

仕掛品でよくある困りごと

  • 棚卸のたびに作りかけの数が合わない
  • 工程の間に置かれた物が、どの注文の分かわからない
  • 途中で出た不良が、数から引かれていない
  • 急ぎの注文の進み具合を、現場に聞かないとわからない

工程の途中にあって、まだ完成していない物

仕掛品(しかかりひん)は、製造の工程に入ったものの、まだ完成していない物です。材料を切った後、加工した後、組み立ての途中など、最初の工程から完成までの間にある物はすべて仕掛品にあたります。工程の間で次の作業を待って置かれている物も含みます。

仕掛品は「工程の途中にあって、まだ完成していない物」原材料まだ使っていない切断工程1加工工程2組立工程3検査製品完成この範囲にある物が仕掛品(工程の間に置かれている物も含む)工程を移るたびに「何個、どこからどこへ」を残すと、途中の数が合う

原材料から製品までの間にある物が仕掛品

会計の上では、仕掛品は原材料や製品と同じく棚卸資産として扱われ、決算のときには数と金額を確定させる必要があります。現場では「どこに何個あるか」がわかっていれば十分でも、決算では「その時点までにかかった材料費と加工費」を出す必要がある点が違います。

原材料・仕掛品・半製品・製品の違い

区分どんな物かそのまま売れるか例(金属部品の場合)
原材料まだ工程に入っていない材料売る物ではない仕入れた鋼材
仕掛品工程の途中にある、作りかけの物売れない切断と穴あけまで終わった部品
半製品途中の段階だが、その状態で保管・販売できる物売れる・保管できるメッキ前で在庫として持つ部品
製品すべての工程が終わり、検査に合格した物売れる出荷できる完成品

仕掛品と半製品の分け方は、その状態のまま保管したり売ったりできるかどうかが目安です。実際の線引きは業種や会社のやり方によって違うため、自社の工程のどこで区切るかを先に決めておくと、棚卸や集計でぶれなくなります。

仕掛品の数が合わなくなる主な理由

  • 工程を移るときに、数を記録していない
  • 途中で出た不良や作り直しを、数から引いていない
  • 1つの注文を分けて流したとき、どれがどの分か追えない
  • 置き場所が決まっておらず、棚卸で数え漏れが出る

紙・Excelで仕掛品を追うと

項目紙Excelアプリ(データ)
工程の移動指示書に印を付けるだけあとでまとめて入力次の工程に渡すときに数を入力
今どこにあるか現場を見に行く更新が遅れて実態と違う注文ごとの工程と数がすぐ見える
途中の不良不良の記録と別になるシートが分かれて引き忘れる不良を入れると残りの数が減る
棚卸置き場を回って数える数えた結果を転記帳簿の数と数えた数の差だけ確かめる

工程の進み具合を一覧にする方法は工程管理表とは、棚卸の数え方と差異の調べ方は棚卸を効率化する方法で紹介しています。

仕掛品の数と場所を見えるようにする4ステップ

1
工程の区切りを決める
どこからどこまでを1つの工程と数えるか
▶
2
指示書に番号を付ける
注文や製番と結びついた番号で追う
▶
3
渡すときに数を入れる
次の工程に渡す数と不良の数を入力
▶
4
工程ごとの数を一覧に
注文ごと・工程ごとの仕掛品が見える
ポイント 1

受け渡しの1回だけ入力する

作業の途中ではなく、次の工程に渡すときに数を入れるだけにすると、現場の負担が小さく続きます。

ポイント 2

不良は理由と一緒に引く

途中で出た不良を理由とあわせて記録すると、数が合うだけでなく、改善すべき工程もわかります。

ポイント 3

置き場所も選ばせる

置き場所を選択肢で残しておくと、棚卸のときに探す手間がなくなります。

仕掛品が見えると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 棚卸のたびに作りかけの数が合わない
  • 進み具合を現場に聞きに行く
  • 途中の不良が数から抜けている
  • どの注文の分か置き場でわからない
アプリで管理した場合
  • 帳簿の数と実物の差が小さくなる
  • 注文ごとにどの工程にあるかが見える
  • 不良を入れると残りの数が自動で減る
  • 指示書の番号で置き場と数がわかる

注文ごとに材料費や加工費を集める考え方は製造指図書とは、在庫全体の数を合わせる方法は在庫管理を効率化する方法でも扱っています。

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