棚卸のたびに、休日出勤と数え直し
月末や決算前の棚卸。倉庫を閉めて全員で数え、紙の棚卸表に書き、事務所でExcelに打ち込む。帳簿の数と合わない品目が出ても、原因がわからないまま数字だけ合わせて終わる。そんな棚卸を続けている会社は少なくありません。
この記事では、棚卸の種類と流れ、時間がかかる原因、数え方と差異の調べ方を見直して棚卸を速く・正確にする方法を整理します。在庫管理全体の考え方は在庫管理を効率化する方法で紹介しているので、ここでは棚卸の作業そのものに絞ります。
棚卸でよくある困りごと
- 数える人によって数え方や単位がばらばら
- 紙の棚卸表をExcelに打ち直すのに時間がかかる
- 数え漏れ・二重カウントがあとから見つかる
- 帳簿と合わない理由がわからず、毎回同じ品目がずれる
棚卸は「帳簿の在庫」と「実際の在庫」を合わせる作業
棚卸(たなおろし)とは、倉庫や店舗にある在庫を実際に数え、帳簿やシステム上の在庫数と照らし合わせる作業です。数えた結果は、決算での在庫の金額の確定にも使われます。
やり方は大きく2つあります。全部の在庫を一度に数える一斉棚卸と、品目や棚を分けて日をずらしながら数える循環棚卸です。
| 項目 | 一斉棚卸 | 循環棚卸 |
|---|---|---|
| 数える範囲 | 全品目を一度に | 品目・棚ごとに少しずつ |
| 業務への影響 | 出荷や入荷を止めることが多い | 通常業務を続けながらできる |
| 1回の負担 | 大きい(人数と時間が要る) | 小さい |
| 向いている会社 | 品目が少ない・止められる日がある | 品目が多い・毎日出荷がある |
| 前提になるもの | 数える日を決めること | 入出庫の記録がその都度正しく入ること |
決算期の棚卸の方法や在庫の評価方法は、会計や税務のルールにも関わります。やり方を変えるときは、顧問の税理士や会計士に確認してから進めてください。
帳簿と合わないときは、差が出た品目だけを追う
帳簿の数と数えた数を並べ、差のある品目に絞って原因を調べる
差異が出たときに、帳簿の数を数えた数に書き換えるだけで終わると、次の棚卸でもまた同じ品目がずれます。差の原因は、多くの場合次のどれかです。
差異のよくある原因
- 入荷・出荷・返品の記録漏れや二重登録
- 単位の取り違え(箱とバラ、ケースと個)
- 置き場所の違いによる数え漏れ・二重カウント
- 破損・紛失・サンプル持ち出しの記録漏れ
差が出た品目について、前回の棚卸から今回までの入出庫の記録をたどれば、どこで記録が抜けたのかが見えてきます。ここまでやって初めて、次の棚卸が楽になります。
棚卸を速く・正確にする4ステップ
棚卸表は「棚の順番」で並べる
品番順の棚卸表だと、倉庫の中を行ったり来たりすることになります。棚番号の順に並べるだけで、歩く距離と数え漏れが減ります。
紙に書いて打ち直す工程をなくす
数えた場所でスマホに入力すれば、事務所での打ち直しと転記ミスがなくなります。入力した時点で帳簿の数との差も表示できます。
循環棚卸は入出庫の記録が前提
毎日少しずつ数えるやり方は、入荷・出荷をその都度記録していないと成り立ちません。まず入出庫の記録を整えてから切り替えます。
棚卸の仕組みを変えると、何が変わるか
- 倉庫を止めて全員で数える
- 紙の棚卸表を事務所でExcelに打ち直す
- 差が出ても原因がわからず、数字を合わせて終わる
- 毎回同じ品目で差が出る
- 棚ごとに分けて、日をずらして数えられる
- 数えた場所で入力し、打ち直しがなくなる
- その場で帳簿との差が見え、すぐ確認できる
- 原因が記録に残り、ずれる品目が減っていく
現場の入力をスマホに置きかえるときの注意点は紙の日報をスマホ入力へ変えるときの設計ポイント、ロット単位で在庫を追う方法はロット管理とは?で紹介しています。
棚卸表を、
スマホで数えて終わる形にしませんか?
今お使いの棚卸表と品目の一覧をもとに、棚番号順の入力画面と差異の記録までできるアプリを作れます。
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