歩留まりの数字が、月末にならないとわからない

不良が多かった気がするが、どの工程で、どれくらい増えたのかは月末の集計まで待たないとわからない。部署によって「歩留まり」の計算のしかたが違い、会議で数字が合わない。手直しして合格させた物まで良品に数えていて、現場の手間が数字に出てこない。歩留まりの数え方がそろっておらず、すぐに見られる形にもなっていない状態です。

この記事では、歩留まりとは何か、歩留まり率・不良率・直行率の計算方法と違い、重さで見る材料歩留まり、歩留まりが下がる原因の探し方と、工程ごとの歩留まりを毎日見られるようにする手順を整理します。どの数を分母・分子にするかは会社や業界によって違うため、ここでは一般的な考え方として紹介します。

歩留まりでよくある困りごと

  • 数字が月末の集計までわからない
  • 部署ごとに計算のしかたが違う
  • 手直しの手間が数字に表れない
  • どの工程で下がったのかがわからない

投入した数のうち、良品になった数の割合

歩留まり(ぶどまり)は、材料や部品を投入した量に対して、良品として出来上がった量の割合です。割合で表したものを歩留まり率と呼び、「歩留まり率=良品の数÷投入した数×100」で計算します。1,000個を投入して950個が良品なら、歩留まり率は95%です。

同じ1,000個の投入でも、何を分子にするかで数字が変わる投入 1,000個一度で合格 920個手直し後に合格 30個不良で廃棄 50個歩留まり率=良品 950 ÷ 投入 1,000 = 95%直行率=一度で合格 920 ÷ 投入 1,000 = 92%不良率=不良 50 ÷ 投入 1,000 = 5%

1,000個投入したときの歩留まり率・直行率・不良率の計算例

上の例では、手直しをして合格した30個も良品に入るので歩留まり率は95%ですが、一度で合格した割合(直行率)は92%です。手直しには人と時間がかかっているので、歩留まり率だけを見ていると、その手間に気づけません。

歩留まり率・不良率・直行率・材料歩留まりの違い

指標計算のしかたわかること気をつけること
歩留まり率良品の数÷投入した数×100投入した物がどれだけ良品になったか手直しした物も良品に入る
不良率不良の数÷投入した数(または検査した数)×100どれだけ不良が出たか分母を投入数にするか検査数にするかを決めておく
直行率一度で合格した数÷投入した数×100手直しなしで流れた割合手直しを記録していないと出せない
材料歩留まり製品になった材料の重さ÷投入した材料の重さ×100材料をどれだけ無駄なく使えたか端材・切りくずの重さを量る仕組みが要る

板材の切断や食品の加工のように、材料を切ったり削ったりする仕事では、数より重さで見る材料歩留まりのほうが原価に直結します。どの指標を使うにしても、分母と分子に何を入れるかを社内で1つに決めておくことが、数字を比べられるようにする最初の一歩です。

歩留まりの記録に残す主な項目

  • 日付・工程・設備・作業者
  • 製番・指示書の番号・ロット番号
  • 投入した数(または重さ)
  • 一度で合格した数・手直しした数・不良の数
  • 不良の種類(寸法・キズ・異物など)
  • 材料歩留まりを見る場合は端材の重さ

紙・Excelで歩留まりを集計すると

項目紙Excelアプリ(データ)
集計の時期月末にまとめて計算転記がたまってから集計入力した時点で計算される
計算のしかた人によって違うシートごとに式が違う同じ式で全工程を計算する
原因の探し方日報を1枚ずつめくるフィルタを組み合わせて探す工程・設備・材料ロットで並べ替えられる
手直しの把握記録されないことが多い列はあるが空欄が多い選択肢で入力して直行率まで出る

不良が出たときの記録と再発防止の書き方は不良報告書の書き方、工程ごとに品質の決めごとをまとめる表はQC工程表とはで紹介しています。

工程ごとの歩留まりを毎日見られるようにする4ステップ

1
計算のしかたを決める
分母・分子と、手直しの扱いをそろえる
▶
2
不良の種類を選択肢に
寸法・キズ・異物など、書き方を固定する
▶
3
工程の終わりに入力
投入・合格・手直し・不良の数を入れる
▶
4
工程ごとに並べて見る
日ごと・設備ごと・ロットごとに比べる
ポイント 1

まずは1つの工程から始める

不良が多い工程を1つ選んで記録を始めると、効果がわかりやすく、ほかの工程にも広げやすくなります。

ポイント 2

材料のロットも結びつける

材料のロット番号と一緒に残すと、歩留まりが下がった原因が材料なのか工程なのかを切り分けられます。

ポイント 3

手直しは別に数える

手直しを良品と分けて数えると、直行率が出せて、現場の手間を数字で示せます。

歩留まりが毎日見えると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 歩留まりが月末までわからない
  • 部署ごとに数字の出し方が違う
  • 手直しの手間が見えない
  • 下がった原因を日報からたどる
アプリで管理した場合
  • 工程ごとの歩留まりを毎日見られる
  • 全社で同じ計算のしかたにそろう
  • 直行率で手直しの多さがわかる
  • 設備・材料ロットで原因を絞り込める

材料のロットから製品までをたどる仕組みはロット管理とは、出荷前の検査結果の残し方は検査成績書とはでも扱っています。

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