発注書と注文書、どちらを使えばいいのか

取引先から「注文書をください」と言われたが、社内のひな形は「発注書」になっている。注文請書を返すように頼まれたが、何を書けばいいのかわからない。発注の書類は名前が似ていて、迷いやすいものです。

この記事では、発注書と注文書の違い、注文請書との関係、発注書に書く項目と、発注の記録を探しやすく管理する方法を整理します。発注漏れや二重発注を防ぐ仕組みについては発注漏れ・二重発注を防ぐ発注管理の仕組みで紹介しているので、ここでは書類そのものに絞ります。

発注の書類でよくある困りごと

  • 発注書・注文書・注文請書の違いがわからない
  • 電話やチャットだけで発注し、書類が残っていない
  • 過去の発注書を探すのに時間がかかる
  • 発注した内容と届いた請求書の金額が合わない

発注書と注文書は、基本的に同じ役割の書類

発注書と注文書は、どちらも買い手が「この内容で買います(頼みます)」と申し込むための書類です。法律で名前が決まっているわけではなく、業界や会社の慣習で呼び方が分かれていることがほとんどです。取引先が「注文書」と呼んでいるなら、同じ内容で表題を合わせれば問題ありません。

一方、注文請書(ちゅうもんうけしょ)は、受注する側が「その注文を引き受けます」と返す書類です。発注書(注文書)と注文請書がそろうことで、どちらが何を約束したかが書面で残ります。

発注から納品までに行き来する書類(イメージ) 発注する側 (買い手) 受注する側 (売り手) ① 発注書・注文書(申し込み) ▶ ② 注文請書(引き受けた旨) ◀ ③ 納品書・請求書 ◀

発注書(注文書)は買い手から、注文請書は売り手から出す

項目発注書注文書注文請書
出す人買い手買い手売り手
役割購入・依頼の申し込み購入・依頼の申し込み(発注書と同じ)申し込みを引き受けた証拠
よく使われる場面製造・建設・ITなど業務の委託物品の購入・小売・卸工事・製造の請負など
印紙税通常かからない通常かからない請負の内容だと、かかる場合がある

印紙税について補足すると、国税庁の説明では、請負に関する注文請書は印紙税の課税文書(第2号文書)にあたります。一方、カタログ商品の販売のような物品の売買の注文請書は、表題が「注文請書」でも第2号文書にはあたらないとされています。判断は書類の名前ではなく契約の中身で決まるため、個別の取引は国税庁「請負に関する契約書」などで確認するか、税理士に相談してください。

発注書に書く主な項目

発注書(注文書)の主な項目

  • 発注日と発注番号
  • 発注者と受注者の会社名・担当者
  • 品名・品番・仕様(委託なら作業の内容)
  • 数量・単価・金額(税込か税別か)
  • 納期と納品場所
  • 支払条件(締め日・支払日・支払方法)
  • 検査がある場合は、検査を終える日

発注番号は必ず付けておきます。納品書や請求書に同じ番号を書いてもらえば、どの発注に対する納品・請求なのかを突き合わせやすくなります。

なお、製造や修理、情報成果物の作成などを他社に委託する場合、取引の内容や会社の規模によっては、2026年1月に下請法から改正・改称された中小受託取引適正化法(取適法)の対象になります。公正取引委員会の説明では、対象となる発注では、給付の内容・代金の額・支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに示すこと(第4条)や、取引の記録を作成して2年間保存すること(第7条)が委託する側の義務とされています。自社の取引が対象になるかどうかと最新の内容は、公正取引委員会「委託事業者の義務」で確認してください。

発注書を探しやすく管理する4ステップ

1
ひな形を1つにする
項目と番号の付け方を全員でそろえる
▶
2
発注を1か所で作る
Excelのコピーでなく、同じ画面から作成
▶
3
請書・納品と紐づける
発注番号で請書・納品書・請求書をつなぐ
▶
4
状態で一覧にする
未納品・納品済み・請求済みで絞り込む
ポイント 1

電話やチャットの発注も、あとで必ず記録に残す

急ぎで電話発注したときほど、記録が残らず、請求の金額でもめる原因になります。発注番号を取って、あとからでも同じ画面に登録するルールにします。

ポイント 2

発注書は「探せる形」で保存する

PDFをフォルダに入れるだけだと、取引先や品名で探せません。取引先・発注日・金額・状態をデータで持ち、PDFはそこに添付する形にすると探しやすくなります。

ポイント 3

請求書との突き合わせを発注番号で行う

届いた請求書の金額を、発注した内容と比べて確認します。発注番号でつながっていれば、差がある請求だけを確認すれば済みます。

発注の書類をデータで管理すると

Excelのコピーと紙で管理している場合
  • 担当者ごとに発注書のひな形が違う
  • 電話で発注した分の記録が残らない
  • 過去の発注書をフォルダから探す
  • 請求書と発注内容の突き合わせに時間がかかる
発注をデータで管理した場合
  • 同じ画面から、同じ項目で発注書を作れる
  • 発注番号で、請書・納品書・請求書がつながる
  • 取引先や品名で、過去の発注をすぐ出せる
  • 未納品・請求待ちが一覧でわかる

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