段取り替えに何分かかっているのか、誰も正確に知らない
品種の切り替えのたびに機械が止まる。「段取りに時間がかかりすぎている」とは感じているが、実際に何分かかっているのか、どの作業に時間を取られているのかは誰も正確に知らない。ベテランなら早いが、ほかの人だと倍かかる。段取り替えの時間が記録されておらず、短くする手がかりがない状態です。
この記事では、段取り替えとは何か、段取り時間の測り方、内段取りと外段取りの考え方、段取りの記録を残して時間を短くしていく手順を整理します。
段取り替えでよくある困りごと
- 段取り時間を測っていない
- 人によって段取りの時間が大きく違う
- 工具や治具を探す時間が長い
- 多品種少量になって段取りの回数が増えた
次の製品を作るための準備で、機械が止まっている時間
段取り替え(段替え・品種切り替え)は、ある製品の生産を終えてから、次の製品の生産を始められる状態にするまでの準備作業です。金型や刃物の交換、治具の付け替え、材料の入れ替え、加工条件の設定、試し加工と検査などが含まれます。
段取り時間と、内段取り・外段取りの関係
段取り時間の数え方は会社によって違いますが、一般的には前の製品の最後の良品が出てから、次の製品の最初の良品が出るまでを段取り時間とすることが多いです。試し加工で不良が出ている間も、段取りが終わっていないものとして数えます。
機械を止めないとできない作業と、止めずにできる作業
| 区分 | 内容 | 作業の例 | 短くする考え方 |
|---|---|---|---|
| 内段取り | 機械を止めないとできない作業 | 金型の取り外し・取り付け、刃物の交換、位置合わせ | 取り付け方を工夫して、調整の時間を減らす |
| 外段取り | 機械を動かしたままできる作業 | 次の金型・工具・材料の準備、図面や指示書の確認 | 機械が止まる前に済ませておく |
| 調整・試し加工 | 取り付けたあとに条件を合わせる作業 | 寸法の確認・条件の微調整・初物検査 | 条件の記録を残し、毎回同じ値から始める |
段取り時間を短くするときは、まず今の内段取りの中に、外段取りに移せる作業がないかを探すのが基本です。工具を取りに行く、次の材料を運ぶ、指示書を探すといった作業は、機械が動いている間に済ませられます。段取り時間を10分未満にすることを目指す「シングル段取り」という考え方もあります。
段取りの記録に残す主な項目
- 日付・設備・作業者
- 切り替え前の品番と切り替え後の品番
- 段取りの開始時刻と、最初の良品が出た時刻
- 作業ごとの時間(片付け・取り付け・調整・試し加工)
- 試し加工で出た不良の数
- うまくいかなかった点のメモ
- 設定した加工条件
紙・Excelで段取りを記録すると
| 項目 | 紙 | Excel | アプリ(データ) |
|---|---|---|---|
| 時間の測り方 | 時計を見て手書き | あとから記憶で入力 | 開始・終了をボタンで記録 |
| 人ごとの比較 | 日報をめくって集計 | 集計表を作り直す | 設備・品番・作業者で並べて見られる |
| 加工条件の再利用 | 前回の紙を探す | ファイルを探して開く | 品番を選ぶと前回の条件が出る |
| 生産計画への反映 | 経験で見積もる | 平均を手で計算 | 品番の組み合わせごとの平均が出る |
段取り時間を記録して短くしていく4ステップ
最初は測るだけでよい
1〜2週間記録するだけで、時間のかかっている作業や、人による差が見えてきます。
加工条件を品番ごとに残す
前回うまくいった条件から始めれば、調整と試し加工の時間を減らせます。
段取りの手順を標準にする
早い人のやり方を手順として書き残すと、人による差が小さくなります。
段取り時間が記録に残ると、何が変わるか
- 段取り時間を感覚で語る
- 人によって時間が倍違う
- 前回の条件を探すところから始まる
- 生産計画の段取り時間が経験頼み
- 設備・品番ごとの段取り時間がわかる
- 早い人の手順をほかの人に広げられる
- 品番を選ぶと前回の条件が出る
- 段取り時間の実績から計画を立てられる
設備の調子の記録は設備点検表・保全記録の作り方、作業の手順を文書にまとめる方法は作業標準書とはでも扱っています。
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