設備は動いているはずなのに、思ったほど作れていない

設備の台数も人も足りているはずなのに、計画した数が作れない。原因を聞くと「ちょこちょこ止まる」「段取りが長い」「不良の手直しがある」と、それぞれもっともな答えが返ってくる。けれどどれがどれだけ効いているのかは、数字になっていない。

この記事では、設備稼働率と、よく使われる指標の設備総合効率(OEE)の計算方法を、計算例つきで整理します。あわせて、稼働率を出すために必要な停止時間の記録の付け方を紹介します。指標の定義や呼び方は会社や業界で少しずつ違うため、ここでは一般的な考え方として扱います。

稼働率でよくある困りごと

  • 稼働率の数字はあるが、何が原因で下がっているかわからない
  • 短い停止が記録に残っていない
  • 人によって停止の理由の書き方が違う
  • 月に一度しか数字を見ていない

3つの率をかけ合わせて、設備のロスを見る指標

設備総合効率(OEE:Overall Equipment Effectiveness)は、設備が本来作れるはずの量に対して、実際にどれだけ良品を作れたかを表す指標です。時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率の3つをかけ合わせて出します。

3つの率をかけ合わせると、設備総合効率になる時間稼働率止まらずに動いた割合性能稼働率本来の速さで動いた割合良品率良品だった割合時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率設備総合効率(OEE)

設備総合効率の考え方

率意味計算式下げる主なロス
時間稼働率動かす予定の時間のうち、実際に動いた割合稼働時間 ÷ 負荷時間故障・段取り・材料待ち
性能稼働率動いている間に、本来の速さで作れた割合基準サイクルタイム × 加工数 ÷ 稼働時間速度低下・短い停止(チョコ停)
良品率作った数のうち、良品だった割合良品数 ÷ 加工数不良・手直し・立ち上がりの不良

負荷時間は、1日の操業時間から計画休止(休憩・朝礼・計画保全など)を引いた、設備を動かす予定の時間です。良品率の考え方は歩留まりとはで紹介している良品の割合と近いものです。

1日の数字で設備総合効率を計算してみる

ある設備の1日の数字が次のとおりだったとします。

項目数字計算結果
負荷時間480分操業時間 − 計画休止480分
停止時間60分故障20分+段取り30分+材料待ち10分稼働時間420分
時間稼働率420 ÷ 48087.5%
性能稼働率基準サイクルタイム0.5分・加工数756個0.5 × 756 ÷ 42090.0%
良品率良品数741個741 ÷ 756約98.0%
設備総合効率87.5% × 90.0% × 98.0%約77.2%

この例では、時間稼働率がいちばん低く、停止時間のうち段取りの30分がもっとも大きいことがわかります。どの率が低いかで、手を打つ場所が変わるのが設備総合効率を分けて見る理由です。段取りを短くする考え方は段取り替えとはで扱っています。

停止時間を紙・Excelで記録すると

項目紙Excelアプリ(データ)
短い停止書くのが面倒で残らない後からまとめて入力されないボタン1つで開始・終了を記録
停止の理由自由記述で集計できない入力規則があっても空欄が多い選択肢から選ぶ
計算月末に電卓で計算式が壊れる・シートが分かれる入力した時点で自動で計算
見るタイミング月に一度集計した人だけが見る設備ごとの数字を毎日見られる

停止の記録に残す主な項目

  • 設備名
  • 停止の開始と終了の時刻
  • 停止の理由(故障・段取り・材料待ち・調整・その他)
  • 対応した人と対応の内容

停止の理由のうち故障が多い設備は、点検の内容を見直す候補になります。点検の記録は設備点検表・保全記録の作り方で紹介しています。

稼働率を自動で出す仕組みを作る4ステップ

1
計算の決めごとをそろえる
負荷時間・計画休止の範囲を決める
▶
2
停止の理由を決める
5〜8個の選択肢にする
▶
3
現場で停止を記録する
止まったら開始、動いたら終了
▶
4
設備ごとに毎日見る
3つの率と停止の理由の順位
ポイント 1

まずは1台から始める

止まることが多い設備を1台選び、停止の記録から始めると、効果が見えやすく現場の負担も小さくて済みます。

ポイント 2

短い停止の扱いを決める

何分以上の停止を記録するかを決めておかないと、人によって記録のばらつきが出ます。

ポイント 3

加工数と良品数は日報から取る

作業日報の数量と結びつけると、性能稼働率と良品率を別に入力しなくても計算できます。

停止時間が記録に残ると、何が変わるか

紙・Excelの場合
  • 稼働率は月に一度だけ見る
  • 短い停止が数字に出ない
  • どのロスが大きいかわからない
  • 改善の効果が測れない
アプリで管理した場合
  • 設備ごとの稼働率を毎日見られる
  • 短い停止の回数と時間がたまる
  • 停止の理由を多い順に並べられる
  • 改善の前後を数字で比べられる

停止や不良の数字の元になる日報の項目は作業日報(製造業)の書き方でまとめています。

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